もはやラーメンの域を超越したような一杯

メニューは鯛出汁を使った「牡蠣ラーメン」と「赤牡蠣ラーメン」、「汁なし牡蠣ラーメン」、さらに「プレミアム濃厚牡蠣ラーメン」(近日公開)という4品。まずは基本の「牡蠣ラーメン」を注文して待っていると、シェフが丼に入れたスープにハンドブレンダーを差し入れて、泡立てているではありませんか。
その白く泡立ったスープに、茹でた麺を投入し、トッピングには牡蠣、低温調理したチャーシュー、ほうれん草、トビコ、最後に薄くスライスしたバゲットを添えます。麺が見えない状態の丼を俯瞰して見ると、まるでフレンチのワンディッシュのような佇まいです。

スープを口に含むと、濃厚な牡蠣のエキスと豆乳のまろやかさが口中に広がります。さらにじっくり舌で味わってみると、鯛のお出汁を感じることもできます。塩味もフワッとやわらか。上品で優しい味わいです。

麺をいただくと、クリーミーなスープがしっかり絡まります。なんとなく、パスタを食べているような気もしてきて、そもそも、これはラーメンなのだろうか? と少し哲学的な感覚すら湧いてきます。そこで、なぜこういうスタイルのラーメンになったのかを、メニューを考案した総料理長の坂祥太さんに聞いてみることにしました。