中野の新店『ただいま、変身中』のフレンチ出身シェフが作る牡蠣ラーメンがスゴい!

牡蠣ラーメンはどう作られるのか?

右が総料理長の坂祥太さん。左はシェフの樋口寛彰さん。二人は料理学校時代からの友人
右が総料理長の坂祥太さん。左はシェフの樋口寛彰さん。二人は料理学校時代からの友人

──牡蠣がとても濃厚なスープですね。
坂さん:広島産の牡蠣を調味料と一緒に炊き、そのエキスを濃縮した牡蠣ダレを作っています。基本の出汁は愛媛県の宇和島産の鯛と昆布でとっていて、その2つと豆乳を合わせたのが牡蠣ラーメンのスープです。

濃厚な牡蠣ダレ。広島産の牡蠣を1日7000~8000個(10~15キロ)使う
濃厚な牡蠣ダレ。広島産の牡蠣を1日7000~8000個(10~15キロ)使う

──鯛出汁×牡蠣というのも変わってますよね。
坂さん:鯛を使ったスープのラーメンは、私が2017年に東京・板橋にオープンした『鯛塩そば 縁』から始まっています。その後、同じく鯛スープを使ったラーメン店を3軒出し、4店舗目としてここをオープンしたんです。すべて鯛スープではありますが、店舗ごとに個性を出していて、今回は、牡蠣を合わせたお店にしたわけです。

──フレンチの技法を取り入れた理由は?
坂さん:私は14年間フレンチのシェフでしたし、シェフの樋口は多岐に渡るジャンルの料理に携わってきました。だから食材からとった美味しい出汁と、美味しいソースをを合わせようという発想はごく自然に出てきます。なので、別にラーメンをフレンチにしたい、とかではなく、その技法が自然とそこに加わっただけなんです。もっと言えば、これはというか、我々は“ラーメン”だとも思っていないかもしれません。一つの料理と言いますか…。

──スープを泡立てる理由は?
坂さん:うちのスープは、鯛のフォン(出汁)、牡蠣のソース(タレ)、豆乳と油でできていて、鶏や豚などの動物系素材は0.1%程度しか入っていません。そうなると、スープにとろみがつかないんです。しかし、麺となめらかに絡ませたいので、この3つを泡立てて乳化させているんです。食べ進む際に、味の変化も出ますしね。また、バゲットを載せているのも、見た目をフレンチに寄せたいわけではなく、あくまでこのスープに合うからです。