日本初の「ハンドドリップだし」が味わえる『ON THE UMAMI』に行ってきた!

ハンドドリップで味わうだしの魅力とは?

 ハンドドリップだしは、注文を受けてからスタッフの方が丁寧にドリップしてくれます。コーヒーと同じように、まず素材にお湯を注ぎ素材を蒸らし、その後、数回に分けてお湯を注ぎ約1分間かけて丁寧に抽出します。

 だしは煮出すものというイメージがありますが、時間をかけて煮出すと、旨み成分が濃くなる反面、素材の持つ香りは薄くなって、濁りや雑味などの不要な味も出てしまいます。ところが、ドリップすることで素材の持つ純粋な旨みの部分だけを引き出し、短時間で抽出することができるため、豊かなだしの香りがより一層楽しめるのだそうです。

 だしの素材となるのは2種類。1つ目は、たまねぎ・にんじん・セロリ・じゃがいも・生姜という5種類の野菜を、コクと旨みが出るようじっくり時間をかけて乾燥させた野菜のフレーク。2つ目はお馴染みの削り節ですが、こちらはちょっと珍しいメジマグロ節の花削り。上品で香り高いだしがとれるので、日本料理の花形でもある椀物などによく使われているとのこと。野菜のグルタミン酸と魚介のイノシン酸という、2つの旨み成分を組み合わせることにより、互いに引き立て合う「旨み」の相乗効果を味わえるそうです。

「ハンドドリップだし 野菜のUMAMI」200円
「ハンドドリップだし 野菜のUMAMI」200円

 温かなだしを飲んだ瞬間にポトフのような濃厚な野菜の甘味と香りが一杯に広がります。その後を追いかけるように時間差でマグロ節の旨みが舌の上に広がり、良い香りが鼻を抜けていきます。2種類の旨みが混ざり合うのではなく、それぞれはっきりした味の輪郭が時間差で押し寄せてくるイメージ。料理に使われる際は渾然一体となった旨みとして感じられるものが、だしだけで味わうと素材の香りや味の個性をしっかり感じられ、飲むだけで「だしの味を楽しむ」という体験ができます。