「じゃりち」って知ってる? 錦糸町名物、謎の“パリパリ肉天”を初体験してきた!

唯一無二の名物料理、誕生秘話

じゃりちはやっぱりここだけの味

「じゃりち」と「韮溜湯麺」の美味しい初体験を終えて、お店の方に、お話を聞きたくなりました。どこにもない名物料理は一体、どうやって誕生したのでしょうか? 店主・池田宗一郎さんが教えてくれました。

『栄福』さんは、昭和30年創業して今年で63年目。創業者は池田さんのお母様だそうです。

「“じゃりち”は創業当時からあって、私は子どもの頃から食べていました。母は、これは衣と一緒に食べる料理なんだよと言っていましたね。当時は、餃子やタンメンなど、今でこそ有名な中国料理がまだ一般的でなかったので、“じゃりち”もそういったメニューだと思っていました。が、他店ではあまりないメニューだったようで、口コミでどんどん人気が出てきたんです」

「じゃりち」の誕生は池田さんが勤め始める前のことなので、真相はわからないそうですが、
「うちの“じゃりち”の味は、中国に行っても同じものがないんですよ。実際、簡単にできる料理ではなくて、熟練のコックさんにうちのレシピを伝えても、なかなかできません。技術を習得するまで時間がかかる料理なんですよ」

 中国の「炸裡背(ザーリーチー)」との関係については不明。でも「じゃりち」はここだけの味だということだけははっきりわかりました。もう1つの「韮溜湯麺」について聞くと、それは完全にオリジナルメニューだと言います。

ニラタンメンはどうやって生まれた?

「誕生は30年前くらいで、私たちが新メニューとして考案しました。きっかけは、海外研修で台湾に行った際に食べた、家庭料理。とてもあっさり、さっぱりしていて、これは日本人の舌に合うと思いました。その味をヒントに、ニラベースのあっさり湯麺(たんめん)を作ろうと考えたんです。ニラを1束以上使い、そこに優しい味つけとしてスープはあっさり塩味で、片栗粉でとろみをつけました。そこに、生姜とニンニクが効かせていてピリッしているでしょ」

 確かに、こちらも、あるようでどこにもない唯一無二の味わいです。

「うちはこの名物料理もあるけど、創業以来、チャーハン、餃子、焼麺(やきそば)、タンメンといったメニューも人気で、常連さんが、ここの味はちっとも変わらなくて旨いんだよなぁと言ってくれるのが嬉しいんです。ぜひ、また食べに来てください」

 確かに、みんなが食べている定番メニューはとっても美味しそうでした。『栄福』の料理は唯一無二の名物料理ばかりだったんです。

 次はみんなと一緒に来て、チャーハン、餃子、じゃりち、韮溜湯麺、あと焼麺を食べに来よう、と決心!是非皆さんも唯一無二の味を体験してみてください。

(取材・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

中華料理 餃子の老舗 栄福 店内

店名:中華料理 餃子の老舗 栄福

住:東京都墨田区江東橋5-15-8
TEL:03-3631-2621
営:11:30~15:00LO
  17:00~21:30LO
休:水