肉汁注意! 台北の老舗『京鼎樓』が仕掛ける“羽根つき焼小籠包”が旨い

肉汁注意! ジューシー過ぎる羽根つき焼小籠包

 開店にあたり『京鼎樓』台湾総料理長である陳章雄氏と、日本総料理長の小林正彦氏が構想を重ねた結果、日本の“焼き餃子”に注目。台湾の一部では羽根つきの焼き小籠包が食べられていることも加味し、“羽根つき焼き小籠包”の開発に踏み切ったのだそう。

 お店のスタイルも、より気軽にお酒と楽しんでもらえるよう、日本の居酒屋と台湾の屋台の雰囲気をミックスした“ネオ台湾屋台”をテーマにしています。女性一人でも入りやすく、グループでも利用しやすい店づくりになっています。

『京鼎樓』の流れを汲んだ「羽根つき焼小籠包」の具材は、国産の豚肉と、コラーゲンたっぷりのスープのみ。油で焼いてもあっさり食べられます。また、皮は『京鼎樓』で使用されるものよりも少し厚め。モチッとした食感も楽しめるようになっています。

 焼きあがった小籠包は、ネギとゴマがトッピングされています。美しいきつね色の羽根をピザカッターで切り分けて、まずはそのままいただきます。

 羽根は比較的しっかりとした強度でパリッパリ、サックサク。小籠包の皮を少し破いて肉汁をチュッと吸い上げると、豚肉の芳醇でまろやかな旨みが口いっぱいに広がります。肉汁をある程度吸い上げたと思ったところで小籠包をかじってみると、中にはまだまだスープがたっぷり! 豚肉のみというシンプルな餡ですが、コク深いお肉の美味しさを存分に味わえます。

『京鼎樓』の小籠包よりは少し小ぶりですが、中からとめどなく溢れる肉汁の量は、もしかしたら本家以上かもしれません。「小籠包を食べ慣れている」と自負していた筆者でも、8個いただいたうち2個の肉汁を飛び散らせてしまったほどです。

つけダレは黒酢ではなく、特製酢味噌ダレ&香港ラー油

 続いてはつけダレをつけていただきましょう。一般的には黒酢と刻みショウガでいただく小籠包ですが、こちらでは羽根つき焼小籠包に合うよう開発された特製酢味噌ダレと香港辣油を2:1の割合で配合した合わせダレがおすすめなんだそう。神戸の餃子が酢味噌をつけて食べられていることにインスパイアされ、酢味噌を使うアイディアを思いついたそうです。

 タレをつけていただいてみると、まろやかな酢味噌の酸味とコク、旨みの強い辣油が相まって、豚肉のしっかりとした旨みが際立ち、後味のキレも良くなります。また、パリッパリの羽根だけでも、合わせダレにつけるだけで立派な酒肴に。ついついお酒が進んでしまいます。小籠包の良さも活かしながら、焼き餃子のような香ばしさやお酒との相性が考えられた進化系グルメだと実感します。

 バリエーションとして、チェダーチーズをかけた「とろ~りチーズの羽根つき焼小籠包」(590円)や、焼きたての羽根つき焼小籠包を塩味のスープに入れた水餃子ならぬ「水小籠包」(590円)も。ここでしか食べられない進化系の味を試してみてはいかがでしょうか?