旨い店はタクシー運転手に訊け! 日本の食遺産に認定したい町中華『飛鳥』の最強チャーハンとは?

旨い店はタクシー運転手に訊け! 日本の食遺産に認定したい町中華『飛鳥』の最強チャーハンとは?
食楽web

「旅先で旨いものを食いたければ、タクシードライバーに聞くのが一番」と言います。そこでB級グルメに精通する現役運転手・荒川治さんにイチオシのお店に案内してもらいました。

 人に“自慢したくなる店”というのがあります。自分の店でもないのに、愛やら情やらが言葉にこもり、つい熱弁してしまう。私にとってそれは、東京・板橋区徳丸にある町中華『飛鳥』です。創業は約30年前だそうですが、お店の雰囲気は、昭和初期の食堂のような感じがします。

東武東上線の東武練馬駅から徒歩7分ほどの場所にポツンとあります
東武東上線の東武練馬駅から徒歩7分ほどの場所にポツンとあります

 私は、初めてここのラーメンを食べたとき、恥ずかしながら思わず泣きそうになりました。まさしく昭和の映画シーンのような話ですが、子供の頃、両親と一緒に食べたラーメンの記憶が蘇ってきたんです。

 実は昔、親戚のおばちゃんが千葉県市川市で中華料理屋をやっており、そこの「中華そば」のスープの味に似ていたんです。鶏ガラや豚骨から出る出汁の深い旨みが醤油味と溶け合って、最初の一口から最後の一滴までしみじみとして旨かった。私がラーメン好きになったのもその「中華そば」の影響ですし、 “旨いラーメンはスープを飲み干せる”という基準になりました。

飛鳥』の「ラーメン」430円
飛鳥』の「ラーメン」430円

 ただ、『飛鳥』のラーメンは、個人的な郷愁の味というだけでなく、なんと言いますか、日本人の舌の琴線に触れる “味のある”味なんです。それが一体どういう味わいなのか、ご紹介したいと思います。