
一部でプロ級の舌を持つと噂のタクシー運転手・荒川治さんに教えてもらう「東京B級グルメ案内」。今回は、荒川運転手が20年間通い続けている環七通り沿いの『ラーメン一番』(東京・小竹向原)へ。さっそく道案内をお願いしましょう。
激戦を勝ち抜いたラーメン店
東京都の11区をぐるりと巡る環状七号線、通称「環七(かんなな)」は、私のような東京のタクシー運転手にとって、走らない日がないほど日常的な道路です。そして環七といえば、数多くのラーメン屋が立ち並ぶことでも知られています。1980年代後半から1990年代初期の、いわゆるバブル期には「環七ラーメン戦争」と呼ばれる名店同士の激戦が繰り広げられた道路でもあります。
ご紹介するのは、そのラーメンバトルの勃発期、1984(昭和59)年に創業し、その激戦を勝ち抜いた店の一つ『ラーメン一番』さんです。現在は2代目に引き継がれていますが、私は初代のお父さんの頃から20年来の大ファンです。
実は初めて訪れた時、お父さんの仕事ぶりを目の当たりにして、このお店に一目惚れしたんです。見ているだけで緊張感がありました。でも嫌な緊張感ではなくて、ものすごく気持ち良かったんです。そして丁寧な仕事がしっかりラーメンの美味しさに表れていました。そのお父さんの仕事ぶりを見たくて通い始め、以来、食べ続けているんです。今回は、その大好きなラーメンについてお話しましょう。