旨い店はタクシー運転手に訊け! ラーメン番付殿堂入り『ラーメン一番』の絶品“オロチョン”とは?

34年間、2代に渡り愛され続ける秘訣

2代目店主の野田岳志さん
2代目店主の野田岳志さん

世代が変わってもベストを尽くす心意気

 私は毎年、勝手に「ラーメン番付」というのを作っているのですが、『ラーメン一番』は、4~5年前にその番付で横綱になり、以来、殿堂入りを果たしています。今、もっとも安心して食べに行けるお店です。

 しかし、昔、ちょっと味がブレてるなぁ思った時期もあったんですよ。それは、ちょうど先代のお父さんから2代目の野田岳志さんに代わった14年前のこと。息子さんとはいえ、作り手が変わると舌も変わります。味が前と変わったな、と思うことがあったんです。で、通っていて味がブレているのは、期待とは違うので、彼に正直に言ったことがあります。

 でも、彼はその言葉を嫌な顔ひとつせず真面目に聞いてくれたんです。「オヤジの味を残す努力をしつつ、僕のベストを尽くします」という姿勢で。私が偉そうに言うのもなんですが、とても嬉しかったです。そして、しばらくして再訪し、麺をすすったらものすごく旨くなっていて驚きました。麺を変えたのかなと思って聞いたのですが、そうではなく、旨くなったのはスープでした。別の知り合いのラーメン屋さんから聞いた話ですが「“麺が旨くなった”と感じるのは、スープが格段に旨くなった証拠」なんだそうです。

チャーシューのテイクアウトは、1本3,800円、半分は1,900円
チャーシューのテイクアウトは、1本3,800円、半分は1,900円

 時代とともにラーメンの味の流行り廃りもありますし、次々に新しい店ができる中、34年間、店を続けてきたことは並大抵のことではないと思います。野田さんはいつも「無我夢中でやっています」と言っていて、その言葉どおり、とてもまじめに作ってくれています。その努力の賜物の1杯をぜひ、食べて欲しいと思います。

 もうすぐ到着しますが、最後に1つだけ。『ラーメン一番』はラーメンも人気ですが、じつはチャーシューや「豚辛子漬(とんがらしづけ)」(500円)のテイクアウトも大人気。年末になると、これを求めて行列ができるんですよ。私は行くたびに「豚辛子漬」を2パック購入しちゃいます。ちなみに通販でも購入できますが、訪れた際にはぜひ購入するとお得ですよ。

 次回、「豚辛子漬(とんがらしづけ)」については、詳しくご紹介できればと思っています。

(構成◎土原亜子)

●SHOP INFO

ラーメン一番

店名:ラーメン一番

住:東京都練馬区小竹町2-74-8
TEL:03-3974-6065
営:18:30~3:00
休:日祝、年末年始
https://r1ban.com/
https://twitter.com/ramen1ban

●プロフィール

荒川治

東京都内在住のタクシー運転手。B級グルメ好きが高じて、現職に就き、お客さんを乗車させつつ、美味い店探しで車を回している。中年になってメタボ率300%だが、「死神に肩をたたかれても、美味いものを喰らって笑顔で死んでやる」が信条。写真検索で美味しそうなモノを選び、食べに行って気に入ればとことん通い倒す。でもじつは、自分で料理を作ることも好きで、かなりの腕と評判。