【那須の注目宿】美しい水庭と地元食材のフレンチを楽しむ新しいオーベルジュ『那須 無垢の音』へ

水の音、風の感触、四季の色。五感で楽しむ『那須 無垢の音』の「水庭」

 東北新幹線「那須塩原」駅から『那須 無垢の音』までは、車でおよそ30分程度。事前予約制で送迎車も利用できるそうです。

 バスを降りた先は、「水庭」の水が流れる音や風が木々の葉を揺らす音、そして鳥のさえずりのほかにはほとんど音のしないような、静かな場所。遠くに那須連山を望み、木々に囲まれた敷地内には、どこかあたたかみのある印象の「スウィートヴィラ」がゆったりと配置されています。

左から、千葉拓海総料理長、建築家の石上純也さん、株式会社タカラレーベンの島田和一社長、取締役岩本大志さん、『那須 無垢の音』総支配人永山忠宏さん
左から、千葉拓海総料理長、建築家の石上純也さん、株式会社タカラレーベンの島田和一社長、取締役岩本大志さん、『那須 無垢の音』総支配人永山忠宏さん

 株式会社タカラレーベンの島田社長がこの場所に出会ったのは、今から10年ほど前。当時、この場所には、文化リゾートホテルの先駆けとして知られる『二期倶楽部』の『アートビオトープ』がありましたが、『二期倶楽部』は2017年に惜しまれつつ営業を終了。その後、隣接する敷地に建築家の石上純也さんが「水庭」を設計し、新たな文化事業として『アートビオトープ那須』をオープン。アフターコロナとなる今年、ヴィラスタイルの宿泊と極上の食事を楽しむ「オーベルジュ」として、新たに『那須 無垢の音』をオープンすることになったそう。

 まずは、この宿泊施設の目玉といえる「水庭」へ行ってみましょう。

 水庭は、遠くから見ると木々が密集する森のように見えますが、近づいてみると光がたっぷりと注ぎ、見上げれば空も見える開放的な空間となっています。「森のように木々が密集していながらも、地面に太陽の光がしっかりと届くようプランしました」と石上さん。水庭の木々は、敷地内の別の場所に植えられていたものを、シャベルで根ごと掘り返して、設計した通りに移植したといいます。

水庭の解説をする石上純也さん。水庭の石垣にも土地から出てきたものを採用するなど、那須の自然を活かしている
水庭の解説をする石上純也さん。水庭の石垣にも土地から出てきたものを採用するなど、那須の自然を活かしている

 水庭の木々はクヌギなどの落葉樹が中心で、春から夏にかけては青々とした新緑、秋には紅葉と、季節によって異なる表情を楽しませてくれます。

 水庭につくられた60強の池は循環しており、耳をすませば水の流れる涼しげな音が聴こえてきます。この日は雨上がりでしたが池の水はよどみなく、空の色や木の影を美しく映し出していました。都会の喧騒が嘘のように思われる静かで穏やかな景色は、日々忙しくする来訪者の心をデトックスさせてくれそう。

 那須エリアでは冬季休業する宿泊施設も多い中、『那須 無垢の音』は年中無休で営業予定。「銀世界に水の流れる音が響く水庭も風情があるので、ぜひ訪れて欲しい」(石上さん)

 次は「スウィートヴィラ」へ参りましょう。