
●東京・練馬で食べられる「日本一おいしいミートソース」は本当に日本一なのか? 実食してみた。
学問やアート、スポーツなど、ジャンルを問わず「日本一」という冠や賞をもらった人を見ると、つい「よっ! 日本一!」などと称賛したくなるものですが、グルメの世界でも同じ。ラーメンでもピザでも、何かの大会やランキングで“日本一”に選ばれたと言われると、脊髄反射のように「食べたい!」という気持ちになりがちです。
今回、ご紹介するのも“日本一”のグルメなのですが、特に何かのコンペティションで選ばれたというわけではありません。メニュー名自体が「日本一おいしいミートソース」なんです。自称なわけですね。そうなると、筆者のような猜疑心が強い割に単純な人間は「本当なのか、ぜひ確かめてみようじゃないか!」と結局、食べることになるのです。

その「日本一おいしいミートソース」を食べられるのは、東京・練馬駅から徒歩5分ほどの場所にある『イタリアン食堂 TOKYO MEAT 酒場』。たまたま歩いていて、看板でそのメニュー名を見かけました。
店名に“酒場”とついているくらいですから本来、夜の営業がメインだと思いますが、“昼の部”があり、その時間にパスタを出しているのです。まずは下の昼の部のメニューをご覧ください。

ミートソースをはじめ、無添加のタラコ、無添加のメンタイコ、ペペロンチーノ、カルボナーラ、アサリ(ボンゴレ)、アラビアータとかなり種類豊富。しかも、麺は自家製麺リングイネを使用。もはやパスタ専門店並みのラインナップです。
そして例の「日本一おいしいミートソース」は1100円(2種類の箸休め小鉢とスープ付き)。今回は、珍しい納豆をトッピングしたバージョン「日本一おいしいミートソースと納豆」(1200円)注文してみました。

待つことしばし。登場した器を見て、驚きました。なぜなら麺の上にひきわり納豆が載っているだけなんです。ミートソースのミート要素が全然ない! 横にある器に汁が入っていたので、「もしかして、つけ麺スタイルのミートソース?」と思ってしまったくらい。
目を丸くしていた筆者に、すかさず、お店の方が、「うちのお店は初めてですか?」と聞いてくれ、食べ方を説明してくれました。
「上にバターとチーズが載っているので、まずはそれだけで味わってみてください。次に、ミートソースが下に入っているので、よくかき混ぜてお召し上がりください」とのこと。なるほど、麺の下に肉があるわけですね。

言われた通りに食べてみることに。まず自家製のリングイネは、モチモチして口当たりが非常になめらか。バターやチーズと絡めると、コクといい塩気の塩梅といい、めちゃくちゃ美味しい! ひきわり納豆との相性もびっくりするほどよく、もうこれだけでもうズドンとハートを撃ち抜かれた感じです。
ですが、“日本一”の検証はまだこれから。器の下にあるミートソースとスパゲティを思い切り絡めて食べてみると……

このミートソース、ただのミートソースではない、とビジュアルをひと目見ただけで確信しました。例えると、濃厚なビーフシチューに近いです。しかもかなり極上の!
入っている牛肉は繊維ホロホロで、肉の旨みといい、ソースのコクといい、かなりハイレベル。自家製のリングイネの美味しさと相まって、箸が止まりません(※ここではスパゲティをフォークではなく箸で食べるのです)。

あまりの美味しさに、ついお店の方に「このミートソース、シチューみたいでお肉がめちゃくちゃ美味しいです」と声をかけると、「5kgほどの牛ひき肉の塊をじっくり煮込んで作っています」と教えてくれました。
まとめ
ちなみに、ミートソースはもちろん、小鉢の揚げナスやスープもかなり美味しかったです。というわけで、“日本一おいしい”というミートソース、日本一かどうかはハッキリと断言できませんが、間違いなく満足いく美味しさでした。少なくとも筆者は日本一認定をしてあげたいくらい。
総本店は浅草橋にあり、そのほか東京都内にいくつか支店があるので、ぜひ一度、「日本一おいしいミートソース」が本当に日本一かどうか確かめてみてください。
(撮影・文◎土原亜子)