年間400万食売れる群馬のソウルフード「鳥めし」とは? 現地で旨さの秘密を探ってきた!

絶大な人気を誇るふたつの「鳥めし」を実食!

(左)「上州御用 鳥めし松弁当」850円、(右)「上州御用鳥めし竹弁当」750円
(左)「上州御用 鳥めし松弁当」850円、(右)「上州御用鳥めし竹弁当」750円

 こちらが不動の人気を誇る『登利平』の看板弁当「鳥めし」。主役は、秘伝のたれをまとった薄切りの鶏肉と、たれが染みたご飯。冷めても美味しくなるようにと試行錯誤して開発されたこのお弁当こそが、県内外の多くの人たちに愛される上州名物なのです。ちなみに、ここ前橋本店では、休日には450個が売れるそうです。

店内の厨房で丁寧に焼かれる鳥むね肉
店内の厨房で丁寧に焼かれる鳥むね肉

「鳥めし」美味しさの秘密は、まずは焼き方です。レストランだけではなく、お持ち帰り処にも厨房を設け、なんと店内ですべて手焼きしているのです。専用マシンで自動で焼いているのかと思いきや、一枚一枚こまめに返し続けるという、ザ・手仕事でした。

「鶏肉はすべて厚さが違うので、焼き具合を見極めるには手焼きするのが一番です。時間はかかりますが、丸ごと焼くことで肉汁をギュッと閉じ込められ、ふっくらとした焼き上がりになります」と話してくれたのは、『登利平本店』主任の横室さん。

門外不出の『登利平』秘伝のたれ
門外不出の『登利平』秘伝のたれ

 そして、美味しい理由はもう一つあります。それが『登利平』の命というべき、秘伝のたれです。創業50年を迎える『登利平』ですが、このたれ、創業当時から継ぎ足して、半世紀に渡って脈々と生き続けているのです。現在、社員、パートさんを含め約700人の従業員が働いているそうですが、その中でこのたれのレシピを知る人は、創業者一族のたった1人だけ。まさに『登利平』の味の真髄ともいうべき、秘伝中の秘伝のたれと言えます。

常に笑顔で対応してくれた横室さん
常に笑顔で対応してくれた横室さん

 ダメもとで、たれに何が入っているのかを『登利平本店』主任の横室さんに聞いてみると、「私ももちろん知りません」と満面の笑顔。しかし醤油ベースのとろみのある甘だれで、レストランのうなぎにも使用しているとのこと。創業当時から変わらぬ味を守り抜いているのはさすがのひと言です。

不動の人気を誇る「上州御用鳥めし竹弁当」750円
不動の人気を誇る「上州御用鳥めし竹弁当」750円。趣のあるパッケージには、上毛の3つの山が描かれている

 ではいよいよ「鳥めし」を実食! こちらは一番人気の「上州御用鳥めし竹弁当」(750円)です。群馬県産の鶏のムネ肉がご飯の上に敷き詰められています。ご飯にも秘伝のたれがたっぷりとかかっており、やわらかいムネ肉との相性は言わずもがな。たまらない美味しさで箸が止まりません。

ふたつの部位を味わう「上州御用鳥めし松弁当」850円
ふたつの部位を味わう「上州御用鳥めし松弁当」850円

 もう一つ、別のお弁当もいただきました。それがムネ肉とモモ肉の照り焼きが入った二食盛りのお弁当「上州御用鳥めし松弁当」(850円)。厚みのあるモモ肉はしっとりとやわらかで、食べ応えも十分です。同時に2つの部位が楽しめるので、こちらもオススメ。なお、どちらのお弁当も、お米は栃木産のコシヒカリを使用しているそうです。

定食いちばん人気の「鳥合わせ定食」1,100円
定食いちばん人気の「鳥合わせ定食」1100円

 弁当以外にも、レストランでしか味わえない料理もあります。例えば、ジューシーなから揚げと、やわらかなチキンカツの両方が味わえる「鳥合わせ定食」。熱々の揚げたてで提供される唐揚げは、サクサクとした食感で、めちゃくちゃ美味しい! 「鳥めし」も最高ですが、こちらもとっても美味。今後レストランに行ったら、どちらを頼むか相当迷いそうだな、と思わせてくれる絶品です。

まとめ

落ち着いた雰囲気の本店のレストラン(食楽web)
落ち着いた雰囲気の本店のレストラン(食楽web)

 丁寧に手焼きされた鶏肉と、創業当時から守り抜く秘伝のたれの組み合わせで作られる冷めても美味しいお弁当。ここでしか味わえない絶品の「鳥めし」。これを食べるためだけに群馬に行く価値が十分にある美味しさでした。

●SHOP INFO

店名:上州御用 鳥めし本舗 登利平

住:群馬県前橋市六供町1-18-6
TEL:027-223-5454
営:レストラン11:00~21:30(Lo.21:00)、テイクアウト10:00~21:00
休:なし
https://www.torihei.co.jp/

●著者プロフィール

矢巻美穂(やまき・みほ)
内外の旅行雑誌を中心に活動するカメラマンで、撮影から執筆・編集作業まで行う。単著としてネパール、台湾、ウズベキスタン、韓国などのフォトガイドブックを執筆。近著は『東京で台湾さんぽ』(イカロス出版)。また、YouTubeで「旅ちゃんねる MinMin Tour」をオープン。これまで取材に行って、本当に美味しかった店や行ってよかった人気スポットを紹介。「登利平」動画も絶賛公開中!