ぽってりでずっしり。おディーン様には日本酒がお似合い?【酒器も肴のうち】

お酒をつぐ器、お酒を飲む器。酒器に思いを巡らせると、気になってくるのが、あの人のお気に入りやコレクション。あのお店のセレクションも見てみたくなる。酒器好きでお酒好きライターによる酒器折々、酒器こもごも。

ぽってりでずっしり。おディーン様には日本酒がお似合い?【酒器も肴のうち】
食楽web

 日本酒の知識と自分好みのお酒を熟知した者だからこそたどり着く酒器がある。学びが多かった第1献、第2献は「酒器学」という講義を受けているような気分だった。そんなジャンルがあるのかどうかはさておき、お酒を美味しく味わうための酒器のお勉強は楽しい。学んでそれを肴にして飲める。だって、酒器は肴になるのだから。

【酒器も肴のうち】第3献。今回はリトアニアをはじめ、フランス、イタリアなどの輸入雑貨卸業を営む土居一隆さんのお気に入りの酒器を拝見させていただきます。

「ここは骨董屋さんですか?」
「いいえ、骨董屋ではありません(笑)」

「器が好きで器選びの楽しさが高じて、気がついたらいつの間にか酒器が集まっていました」と、土居さん。輸入雑貨のオンラインショップ「タイニーピクシス」を共に運営する奥さまと一緒に選んだ器の数々は、筆者がイメージする個人所有の域をはるかに超えていたのであります! いや待てよ。「あれ? ここ、骨董屋さんでしたっけ?」。思わず聞いたそばから、「これは古九谷、こっちは古伊万里、それからこれはどこかの出土品だったかな」。一つひとつ手に取りながら説明する様は、まさしく骨董屋のご主人そのものなのだ。

 ご自宅の一室には公私問わず、国内外問わず、新旧問わず、行く先々で出合った器が小物雑貨と共にセンスよくディスプレイされていて、「あれ? ここ、セレクトショップでしたっけ?」と、いま一度つぶやく筆者。酒器以外にも素敵な食器が多く、見ているだけで飽きないし、楽しい。お買い物できそうな雰囲気なのである。あやうく本題を忘れそうになる。いかんいかん。そろそろ、土居さんのお気に入りの酒器、見せてください。