こだわり抜いたカツサンドに感激必至!

1日10食限定「けい太特製食べ比べフィレカツサンド」は、牛フィレと豚フィレがどちらも入ったひと品。
「オープン以来、お土産用のカツサンドのご要望は多くいただいていたんですが、揚げたてを提供するとんかつにこだわっていることもあり、カツサンドになかなか着手できずにいたんです。でも、とうとう完成しました!」と笑顔の青木さん。

「カツサンドで使用している豚肉は“六白黒豚”のフィレ肉、牛肉は国産のフィレ肉です。とくに六白黒豚は、僕の実家・鹿児島の養豚場で育てている豚なんです。餌を含めてさまざまな研究をしながら育てていて、肉質が締まっていながら柔らかく、甘みが濃いのが特徴です」(青木さん・以下同)
しかし、とんかつとカツサンド、同じカツなのに、どう揚げ方を変えているのか? その違いを聞いてみると、
「お店で提供するとんかつは、低温のラードでゆっくりと揚げ、最後に高温でサッと揚げる、いわゆる2度揚げ方式です。しかし、今回完成したテイクアウト用のカツサンドは、最初から高温で揚げ、衣をカリッとさせた後にラードから取り出し、予熱で30~40分かけてじっくり火入れしていく方法なんです」
つまり、とんかつとカツサンドは真逆の方法で作るということ。それにしても、予熱時間の長さに驚きますね。

この方法で作るカツサンドの利点は下の通りだそうです。
(1)冷めても衣のサクサク感や香ばしさが持続
(2)カツから水分が出すぎないので、パンがベチャッとしない
(3)肉も揚げたて同様にしっとり柔らかさをキープできる
だから、揚げたてでなくとも、家に持ち帰ってからでもカツサンドの美味しさを存分に楽しめるんですね。
「とはいえ、1番美味しいのは1時間以内に食べること。そこで、あらかじめお持ち帰り時間を伺い、逆算してご提供しています。その関係上、カツサンドも完全予約制で、1日10食限定にせざるを得ないんです」と青木さん。
確かに、ここまで手間暇かけて作る繊細なカツサンドとなると、予約必須で数量限定なのもうなずけます。

というわけで、実際に筆者も「けい太特製食べ比べフィレカツサンド」をテイクアウトし、近所の公園で食べてみることにしました。

オレンジ色のボックスを開けると、カツサンドは豚フィレと牛フィレの2種類で計4切れ。ポテトやピクルスなどの副菜も入って1980円。けっこう値が張りますが、食べてみると大いに納得。というより、完全にノックアウトされました。

ほのかに温かさが伝わってくる豚フィレサンドをつまみ、ひとくち噛んだ瞬間、薄いパンのサクカリ食感と共に、パン粉の衣の香ばしさが鼻から脳天に突き抜けていきます。その先には、豚フィレ肉の弾力のある繊維が歯に当たり、続けて口中にじゅわ~っと肉の甘みと旨みが充満します。
一方の牛フィレサンドもまた、しっとり柔らかいんですが、豚フィレとはまったく違う食感と味です。あえて表現するなら、赤身のジューシーな肉汁は、もはやワインのように酔えそうな甘美な味わいです。
これは、今まで食べてきたカツサンドとは完全に別物です。香りも食感も味も、何もかもが極上なんです。