駅ナカの立ち蕎麦『そばいち』のサトイモのコロッケそばが新食感で絶品だった!

クタクタ感が最高のさといもコロッケそば

 食券を渡すと、2分もしないうちに「狭山のさといもコロッケそば」が登場しました。その状態を見て、「え~、そんなバカな!」と、思わず天を仰ぎそうになりました。あろうことか、コロッケは真っ黒なおつゆの中に最初からドボンと沈んでいたんです!

 繰り返しますが、筆者はおつゆに浸っていないカリッとしたコロッケと、おつゆに浸ったヒタヒタ衣のコロッケを時間差で食べるのが好き。なのに「さといもコロッケそば」にはカリカリ衣は見当たりません。

最初からクタクタしている
最初からクタクタしている

 気を取り直して、そのさといもコロッケを箸で強引に救助しようとしたのですが、予想以上に柔らかく、クニャリと割れました。中の具はすでにトロトロ。とても救出できそうにありません。せめてその半分を箸ですくおうとしたら、再度おつゆにずるりと滑り落ちて沈没。そうしている間にも、さといもコロッケはどんどんおつゆに溶けて消えていきます。

 おいおい、この軟弱コロッケ、やる気はあるのか! とパワハラ教師のように叱り飛ばしたくなります。箸にも棒にもかからないヤツめ。仕方ないので強硬手段。レンゲをカウンターまで走って取りに行き、すくって食べてみることにしました。

 ところが、です。このさといもコロッケ、口に入れてみると驚きの食感なのです。おつゆをたっぷり吸ったクニャクニャの衣のようですが、実は水分が多いことでフワフワ。そして濃いお醤油とお出汁がバッチリ利いています。

 さらに秀逸なのは、中のさといも。非常に滑らかで、舌の上でヌメヌメ&こっくり。サトイモ特有の甘みと粘りを強く感じます。これはひょっとしたら、サトイモのクリーミーさをより際立たせるために、わざと衣をクニャクニャさせているのかもしれません。

 そしてお蕎麦も茹で置きではなく、生麺から茹でているそうで、コシも香りもあります。 めちゃくちゃ美味しいじゃないですか! そして最後はサトイモの旨みが溶け込んだおつゆを飲み干してフィニッシュ。

最後はとろろ芋のようなぬめり感とトロトロ感のある食感になったさといもコロッケ
最後はとろろ芋のようなぬめり感とトロトロ感のある食感になったさといもコロッケ

 というわけで、この「さといもコロッケそば」はまるでスイーツのごとく、最初から最後までクリーミーさを楽しめる蕎麦だったのです。これは確かに女性にウケるのがなんとなくわかります。この新しい触感のコロッケ蕎麦、ぜひ皆さんも試してみてください。