立ち食い蕎麦マニアが“コロッケそば”に辿り着く理由とは?

立ち食い蕎麦屋でよくみかける「コロッケそば」。かけそばの上にコロッケをトッピングしたメニューだが、ある“立ち蕎麦マニア”から、「上級者ほど、コロッケそばを食べる」と聞いた。その謎を解き明かすべく、立ちそば初心者が“立ち蕎麦の名店”がある東京・神田へ向かった。

立ち食い蕎麦マニアが“コロッケそば”に辿り着く理由とは?
食楽web

 神田須田町界隈といえば、「いせ源」「竹むら」「ぼたん」「神田まつや」「かんだやぶそば」といった東京都指定の歴史的建造物の老舗が集まるエリア。その中央に位置するのが、今回の目的地『六文そば 須田町店』だ。立ち蕎麦マニアから絶大な支持を集める創業1971年の“立ち食い蕎麦屋”の老舗である。

 四叉路の角地にあるため、一度に店の三面を拝めてしまう立地の面白さと、昭和レトロな雰囲気も相まって、その外観も“B級の東京遺産”の一つとして認定してもいいくらいの風情ある佇まいだ。“文化的価値”も高いのである。

 しかも、上述の蕎麦の名店たちに包囲されながらも、46年間愛され続けている。今も昔も、朝から晩まで絶え間なくサラリーマンが吸い込まれていく。

今年で創業46年の『六文そば 須田町店』。近隣のビジネスマンや学生の御用達。
今年で創業46年の『六文そば 須田町店』。近隣のビジネスマンや学生の御用達。

 そんな老舗立ち食いそば屋に「コロッケそば」はあるのか? と、外から様子を伺ったら、外壁に貼られているメニューに「コロッケそば」(380円)という文字を発見。

 そもそも『六文そば』は、“元祖お好み揚げたててんぷら”と看板に記されているように、様々な種類の天ぷらがトッピングできるのが人気の所以である。事前に、学生時代から通っているという“常連おじさん”におすすめ天ぷらを聞いたところ、名物は「いかげそ天」や「紅ショウガ天」、「春菊天」などだそう。にもかかわらず、「コロッケそば」が「かけそば」「たぬきそば」に続き、堂々3番目に列記されている。意外である。