これ食べられるの！？ 高円寺の『Cafe＆Bar LIP』で見つけた「お花のスイーツ」がスゴすぎる

食べられる芸術作品「フラワーゼリー」とは？

　JR「高円寺駅」より徒歩5分。『Cafe＆Bar LIP』は、にぎやかな商店街から一歩入ったビルの2階にありました。バリスタ兼バーテンダーとしてお店を切り盛りするのは店長の千葉さん。彼がこのアートなスイーツを作っています。

　早速、噂の「フラワーゼリー」をオーダーし、待つこと約10分。やってきました、プルプルと揺れながら美しく咲き誇る白い花。花びら一枚一枚がとにかく繊細で、まるで本物と見まごうほどのアーティスティックな花模様にしばし、うっとりします。

「水信玄餅風のベースは、エルダーフラワーのリキュールで香りづけし、『アガー』という植物性のゼリーの素で固めたもの。花びら部分は、オーダーを受けてからこのベースにミルクゼリーを彫り込んでいくんです」と店長。

　スプーンを入れると、ゼリーや寒天よりも強い、しっかりした弾力を感じます。つるんとなめらかで、もっちりした食感。何もかけなくても上品な甘みが広がり、美味しくいただけます。

　しばらく食べ進めたあと、添えられた“きなこ”と“蜜”をかけて味変を楽しみました。その味わいは“信玄餅”のよう。きなこと蜜の甘みがバランスよく、味の広がりを感じさせます。しかしベースがゼリーなので、すっきりとした美味しさ。花びらをつむように、スプーンをそっと入れながら、堪能しました。

「フラワーゼリー」は、ペルーの定番おやつとして親しまれているスイーツで、店長は独学で作り方を習得したんだとか。「ある日ネットで見て、見よう見まねで作ってみたのがはじまり。ベースのゼリーは量産できないので1日5個作って、売れたらもう一回作るというペースです」

　美しいビジュアルと素朴な味わいを求めて何度も通いたくなるお店自慢の「フラワーゼリー」。数量限定なので、ぜひ事前に予約してから訪れてください。

色鮮やかな「季節のフレンチトースト」も人気！

「フラワーゼリー」を満喫しているところ、カウンター越しからは香ばしいトーストとバターの香りが…。『Cafe＆Bar LIP』のもうひとつのおすすめ、「季節のフレンチトースト」が運ばれてきました。

　トーストにトッピングできるフルーツは、4種類まで選べます。秋の気配を感じ始めた取材日には、店長セレクトの福岡県産いちじくと山梨産シャインマスカットがトッピングされていました。このトーストもその美しさに心が奪われます。

　人気の生食パン専門店『一本堂』の食パンを使用。美味しいパンの味と食感を生かすため、浸す卵液は最小限にしているそうです。

　サクサクとした食感に、バターの風味がふんわりと広がります。シャインマスカットは甘くてみずみずしく、いちじくのほんのりした酸味との相性も◎。フルーツの自然な甘さとトーストの香ばしさが絶妙なバランスで、最後の一口まで大満足の一皿でした。

　ちなみに、ナポリタンやオムライスなどのお食事メニューも充実しているほか、バーテンダーの店長が作るカクテルも絶品だそうです。さらにWi－fiを完備し、どの席にもコンセントがついているので、リモートワークにも最適です。ついつい長居したくなる要素がいっぱいの『Cafe＆Bar LIP』、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

（取材・文◎櫻井れき）