昭和39年創業! 浅草の老舗喫茶『アロマ』のオニオントーストが、半世紀以上愛される理由

お腹も心も満たされる、憩いの場

店内はカウンター席のみ。アットホームな雰囲気も魅力の一つ
店内はカウンター席のみ。アットホームな雰囲気も魅力の一つ

『珈琲アロマ』の創業は昭和39年まで遡ります。「浅草には老舗店が多いけれど、うちももう結構な老舗になってきましたね」。そう話すのは、創業から変わらずマスターとしてお店を切り盛りする藤森甚一さん。令和2年を迎えた今も、昭和の味を守り続けています。

名物「オニオントースト」が絶品!

手前が名物「オニオントースト」280円、奥が「ピーナツバタートースト」130円(税込)。消費税が5%に増税した平成9年から値上げしていない
手前が名物「オニオントースト」280円、奥が「ピーナツバタートースト」130円(税込)。消費税が5%に増税した平成9年から値上げしていない

 トーストメニューに使われているのは、浅草の老舗パン屋『ペリカン』の食パンです。「ペリカンの食パンはきめが細かくて、食感がいい。焼きたてのサクサク感がおいしいから、ずっとこの食パンを仕入れてるんです」(マスター・藤森さん)。トーストは、昔ながらのポップアップトースターを使い、こんがりと焼くのもこだわりです。

旬の時期は新玉ねぎを使用。甘みを楽しんでもらうため、普段よりも厚切りで提供
旬の時期は新玉ねぎを使用。甘みを楽しんでもらうため、普段よりも厚切りで提供

 名物の「オニオントースト」は、創業前にマスターが通っていたという喫茶店のメニューから着想を得たもの。マヨネーズから手作りするなど自分流にアレンジしたところ、看板メニューとして定着したそうです。玉ねぎの甘みとピクルスの酸味、そしてマヨネーズのコクがたまらない一品です。

コーヒーを淹れ続けて55年!
コーヒーを淹れ続けて55年!

 香り高さと酸味のきいた深い味わいが魅力のコーヒーは、こだわりのネルドリップ。マスター自らブレンドした『珈琲アロマ』だけの味わいが楽しめます。

 その淹れ方も独特です。ポットに布製のフィルターをかけ、勢いよくお湯を注いでいき、最後にフィルターをギューッと絞ります。「なぜ、ポットにドリップするんですか?」と聞いたところ、「冷めると味が変わってしまうから、温度を一定に保つために考えたんです」とマスター。ここのコーヒーはとにかくアツアツ! カリッと焼かれたトーストとよく合います。