霜降り肉とどう違う? 浅草の名店『ちんや』で「適サシ肉」のすき焼きを食べてきた!

霜降り肉とどう違う? 浅草の名店『ちんや』で「適サシ肉」のすき焼きを食べてきた!
食楽web

 明示36年から続く浅草の老舗すき焼き店『ちんや』。『今半本店』や『米久』と並ぶ、すき焼きの名店です。こちらのお店、昨年「適サシ宣言」をして業界で話題となりました。周知のとおり“サシ”とは、肉の脂肪分のことで、適サシ肉とは適度なサシ(霜降り度合い)の肉のことを指します。

「近年、過度な霜降り肉が出回りすぎて、味が落ちてしまっているんです。しかしサシのない赤身肉だと極端過ぎます。サシが30%くらいの肉がちょうどいいのです」と言うちんやのご主人。

 霜降りの度合いはサシの割合に応じて、サシがほとんどない1等級から50~70%の5等級までに分類されており、ちんやでは4等級(霜降り度合いが30%ほど)の肉を使っているそうです。巷で霜降り肉と呼ばれているものはおおむね5等級に属するそう。

小ザシとよばれる細かいサシの入った適サシ肉
小ザシとよばれる細かいサシの入った適サシ肉

 今回、ちんやでは霜降り肉をやめ、この適サシ肉を提供することにしたそうですが、一体、適サシ肉と霜降り肉はどう違うのか。さっそくちんやにお邪魔して、適サシ肉のすき焼き(コースで9,900円・税込)を食べてみました。

 煮る前の適サシ肉を見ると、きれいなサシが入っています。“小ザシ”といい、粗ザシと呼ばれるものよりもサシの入り方が細かいのが特徴。甘めの割下で煮て、頃合いを見計らって、とき卵の中へ。適度にサシが入っているので肉がまったく縮んでいません。

 いざ口へ。入れた瞬間、あまりの柔らかさに、全身に電流が走りました。いや、柔らかいというより優しい食感。唇触り、歯触り、舌触りどれも優しくフンワリとしています。歯を立てると、肉が切れるというより、そこから溶けてゆっくりと分離していく印象。そしてかすかに甘い。割下の甘み…? いや違います。サシの甘みです。適度なサシなので、割下とケンカしないのも特徴。霜降り肉のすき焼きは食べたことがありますが、それと同じか、それ以上。適サシ肉のすき焼きは初体験ですが、これはいけます!

 調理法にもよりますが、すき焼きの甘めの割下には、この適サシ肉がベストマッチだとわかりました。

(取材・文◎松本壮平)

●SHOP INFO

すき焼き ちんや 外観

店名:すき焼き ちんや

住:東京都台東区浅草1-3-4
TEL:03-3841-0010
営:月・木・金12:00~15:00、16:30~21:30
  水16:30~21:30
  土11:30~21:30
  日・祝11:30~21:00
  休:火・元日(祝日、祝前日の場合は営業)
http://www.chinya.co.jp/