福岡の老舗カフェ『サン・フカヤ新天町』の名物「ふわふわ卵のとろまるカレー」が地元で愛されるワケ

食事の前にコーヒーのアロマで贅沢なひとときを

　温かさを演出する木目調の入り口と、赤を基調としたレトロなロゴは、居心地の良さを表しています。看板やポップには心くすぐる美味しそうな写真がずらり。

　中に入ると、間接照明の優しい灯りが穏やかな空間を演出。談笑の声が優しく漂い、時間がゆっくり流れているように感じます。3階建てで、客席数は70席弱。今回訪れた平日の午前中は、混雑していませんでした。

　フードメニューとにらめっこ。どれを食べても間違いないのですが、今回は特にたくさんの方に知ってほしい「ふわふわ卵のとろまるカレー」を選びました。

　セットドリンクは通常価格より半額以下の200円！　まずは食前に「ホットコーヒー」を。

　飲む前に、まずはコーヒーアロマを堪能。『サン・フカヤ新天町』のコーヒーは、深みがありまろやか。雑味はなく、後味がすっきりしています。オーナーにお話を伺ったところ、時間をかけて様々なコーヒーをブレンドし、満足の味が見つかったとのこと。

　仕事の打ち合わせや顔合わせで『サン・フカヤ新天町』を利用しているお客さんも多く、筆者もその一人。ここのコーヒーを飲みながらだと、交渉が捗る……ような気がしています。

1度食べるとやみつき！　優しい食感の「ふわふわ卵のとろまるカレー」

　コーヒーとカレーのいい香りが混ざり、鼻から全身を駆け抜けていき幸福感に満たされます。見た目にもふわふわが伝わる卵がトッピングされていて、視覚的にもワクワク感が激増。

　お皿を持ち上げてみるとズッシリと重い。かなりボリューミーなのでしっかりお腹をすかせて食べに行ってください。

　スプーンを揺らすと、絶妙な柔らかさの卵がプルプルっと踊り出します。牛乳を混ぜることで固まり過ぎず、ふわふわな食感を実現しているそう。卵本来の甘みを感じられるシンプルな仕上がりです。

　カレーはとろっとしており、まろやかな丸みのある味わいが特徴。舌を刺激するスパイスと同時に、玉ねぎの甘さが口いっぱいに広がります。国産和牛もたっぷり入っており、コク深さが体に染み渡る絶品カレーです。

　硬めに炊いてある白ごはんは、噛めば噛むほど甘みを感じられます。「さらっと」と「どろっと」の間くらいとろみのあるカレーは、ご飯とふわふわ卵との相性がとても良く、気付いたら完食していました。

ドリンクのおかわりはプラス200円。別の種類でもOK！

　Setドリンクは、さらにプラス200円でおかわりができます。最初の1杯とは別のドリンクを選択することも可能。食後の一杯は、ホットの「カフェオレ」にしました。香り高いコーヒーは、牛乳と合わせてもポテンシャルの高さを維持します。

　ケーキセットがあったり、ランチタイムにはお得なセットがあったり。いつ行っても穏やかな時間を過ごせるカフェだからこそ、60年以上も福岡県民に愛され続けているのでしょう。これからも、通い続けます。

（撮影・文◎馬場阿紀子）