働く妙齢男女が直面する「野菜を摂らなきゃ」プレッシャーも何のその。楽しくおいしく、野菜で飲めれば最高! と、酒に合う野菜のおつまみ、通称“ベジつまみ”を提案。外食好き&料理ベタの酒飲み女性ライターが、マクロビ料理家・丸さんの指南を受けつつお届けします。
大学生の頃、バイト先の40代の部長がよく「俺らくらいの歳になるとさ。友だちと飲みに集まっても、話題は健康管理のことばっかりだよ」と話していたものだが、いざ自分がその年齢になってみるとよく分かるその気持ち。健康は宝。そして身体を作るのは日々の食事。分かっちゃいるけど、バランス良く食べるというのはけっこう難しい。
いろんな野菜が食べられて、なおかつおいしく飲める料理とは。そんなテーマで続けてきたこのベジつまみだが、まだ登場していないジャンルがあった。お米である。しかしゴハンって「つまみ」になるかしら。
「炊き込みごはんにしましょう。味を濃くしなくても、具の選び方でよいつまみになりますよ」
相変わらず頼りになる丸さんのひと声。そうやって誕生したこの炊き込みごはんは、見た目からして具がたっぷり、こぼれんばかり。ごろんごろんと姿を現すやまいもに、鮮やかなニンジン、しっとりした舞茸。出汁の香りもたまらない。さっそくひと口いただくと、豊かな奥行きの中にピリリとした後味。これはショウガだ。
「つまみというと、しょう油など塩気のイメージがありますけど、ショウガの辛みを使うと日本酒なんかと相性のいい味わいに仕上がります。今日はマイルドな新ショウガにしましたが、普通のショウガだともっと辛みが前に出てきます」
ジュワッと出汁の染みた油揚げとシャキシャキのやまいも、食感も小気味いい。なんでもやまいもを一緒に炊くと溶けてしまうので、後入れにして食感を出しているのだそう。おちょこでクイッと一杯いただきながら、食べるごはんのおいしいこと。これはたしかにおつまみだ。
「多めに炊いて、おにぎりにするのもいいですね」と丸さん。炊飯器で作れるというのも忙しい人にはありがたい。食後の気持ちいいポカポカは、ショウガのせいか日本酒のせいか、はたまた両方か。野菜もたっぷり採れてお腹も満足なおつまみ。お米ってやっぱり素晴らしい。