自分の理想のビールが作れる! サッポロビールの新サービス「HOPPING’ GARAGE」とは?

ウェブサイト上でアイデアを募集

「HOPPING’ GARAGE」のキャッチコピーは、「できたらいいな。を、つくろう。」です。ウェブサイト上で飲みたいビールの企画を応募し、厳正な審査を経て採用された1人のアイデアをもとに、実際にそのビールをサッポロビールの静岡・焼津にある小ロット対応工場で作るのが、このプロジェクトの概要です。

2018年6月に小ロッドの製造ができる設備を焼津に作った。現状では、350ml缶で800~900ケースが最小ロットとなっている
2018年6月に小ロッドの製造ができる設備を焼津に作った。現状では、350ml缶で800~900ケースが最小ロットとなっている

 審査後はブリュワーとの開発ミーティングを行い、約2か月後には待望のビールが完成します。実際に製造されるのは、月に1つのアイデア。1年間で12のアイデアが実現するという計算になります。

HOPPING’ GARAGEは、企画者、飲み手、飲食店で成り立つ
HOPPING’ GARAGEは、企画者、飲み手、飲食店で成り立つ

 さらに、HOPPING’ GARAGEコミュニティ上でイベントを立ち上げ、ビールの品評会が行えます。このビールはイベント時に特別に振る舞われるだけなので販売がありませんが、評判が良ければ、実際にそのビールが商品化されてサッポロビールのネットショップで販売される可能性もあるそうです。自分のアイデアが商品になるなんて夢のようですね。

ストーリーのあるアイデアが実現化への近道!?

 HOPPING’ ARAGEの発表会では、キッチハイク代表取締役・山本雅也氏に加え、スープ専門店「スープストックトーキョー」や「トーキョールー」などを運営するスマイルズ代表取締役・遠山正道氏も登場。実は、両氏のアイデアから生まれたビールはすでに製品化されているんです。

左から順に、サッポロビール 商品・技術イノベーション部 シニアマネージャーの成瀬史子氏、スマイルズ代表取締役・遠山正道氏、キッチハイク代表取締役・山本雅也氏
左から順に、サッポロビール 商品・技術イノベーション部 シニアマネージャーの成瀬史子氏、スマイルズ代表取締役・遠山正道氏、キッチハイク代表取締役・山本雅也氏

 雑誌にビールのコラムを寄稿するほどの大のビール好きである山本氏にとって、今回のビール作りは夢のようだったそう。山本氏のアイデアから生まれたのは「探検するハニーエール」というビールです。

 山本氏はキッチハイクを起業する前に世界中を旅しており、ラトビアのリガで出会ったビールの味が忘れられなかったそうです。それを再現したのがこちら。

ハニーエールはアルゼンチン産のレモンハチミツを使用。甘みは強いが、後味は非常にすっきりしているのが面白い
ハニーエールはアルゼンチン産のレモンハチミツを使用。甘みは強いが、後味は非常にすっきりしているのが面白い

 開発に携わったサッポロビールの商品・技術イノベーション部 シニアマネージャーの成瀬史子氏によると、このビールの最大の特徴でもあるはちみつ選びに苦労したそうです。世界中から15種類のはちみつを用意してビールに合うものを選び、麦芽やホップを控えめにしてはちみつの良さを活かせるように充てん前にはちみつを加えるなどの工夫が施されています。

 残念ながら遠山氏のアイデアのビールはまだ試飲できなかったのですが、モルトから作った麦汁にグレープフルーツジュースを加えて発酵させる、カクテルのような飲みごたえのビールを作っているそうです。普段からレッドアイやブラッディマリーなどを好む遠山氏は“一発で刺さるビール”が欲しかったのだとか。話を聞くだけでもおいしそうなビールが完成しそうですね。

 両氏のビールに共通するのは、味わいのイメージがつきやすいことと、どうしてそのビールが飲みたいのかが明確な点です。アイデアの審査でもこれらのポイントが重視されるはずなので、自分が飲みたいビールのアイデアをまとめる際に意識するといいでしょう。

 HOPPING’ GARAGEでの第1回目のアイデア募集の締切は2018年11月10日(土)まで。あなただけのビールを実現するチャンスをぜひ掴んでみてください!

(取材・文◎今西絢美)

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