ブームの兆し! 横浜中華街の有名店7軒の焼売を忖度ナシで食べ比べてみた!

小籠包の名店は焼売の名店でもあった!『鵬天閣』

『鵬天閣』の「豚肉焼売(15個入り)」1328円(税込)
『鵬天閣』の「豚肉焼売(15個入り)」1328円(税込)

 続いて、中華街大通りに2店舗を構える人気レストラン『鵬天閣』の焼売をいただきます。『鵬天閣』は「小籠包の名店」として有名で、休日は行列ができるほどの人気ですが、ネットなどで隠れた人気として挙がるメニューが焼売です。小籠包も焼売も同じ「点心」カテゴリーですので、この味にまずハズレはないでしょう。

「豚肉焼売」
「豚肉焼売」

 サイズ小さめながら15個入りという多めの数量が嬉しいですが、実に手の込んだ焼売。豚肉と玉ねぎに加え、春雨、しいたけ、キャベツなどが入っており、それぞれの味と食感が口の中で複雑に絡み合い、クセになる味です。かと言って、濃い味付けではなく、アッサリ。なので、カロリーが気になる人も調整しながらいただける利点もあります。「小籠包の名店」は噂通り「焼売の名店」でもあることがよくわかる焼売でした。

●SHOP DATA

店名:鵬天閣 新館

住:神奈川県横浜市中区山下町192番地15
営:10:00~21:00
休:なし

創業当時の味を守り続ける名店『清風楼』

『清風楼』の「シウマイ(12個入り)」1720円(税込)
『清風楼』の「シウマイ(12個入り)」1720円(税込)

 続いていただくのは、横浜中華街の焼売を語る際、絶対に外すことができない名店『清風楼』。関帝廟通りにある広東料理のお店で、作家の池波正太郎や草柳大蔵が通った店としてよく知られるお店で、店頭には「『清風楼』のシウマイ」の購入コーナーがあり、お店の看板メニューであることを強く打ち出しています。飾り気のない店構えと創業時から変わらぬ味が人気で、休日には行列ができることもあります。

「シウマイ」
「シウマイ」

 看板メニューの「シウマイ」は、小ぶりながら餡と皮がギュッと強く握られ一体感を表現したもので、まさに昔ながらの安心の味。このタイプの焼売はどうしても『崎陽軒』と比べてしまいますが、『崎陽軒』が味付け濃い目なのに対し、『清風楼』は、素材を活かすがごとくのサッパリとした味付け。一口いただくと、古き良き横浜中華街の景色が目に浮かんでくるかのようです。テイクアウトでは、他にも「15個入り」「20個入り」「25個入り」と、おおむね5個刻みで包んでもらえます。

●SHOP DATA

店名:清風楼

住:神奈川県横浜市中区山下町190
営:11:45~19:00/日12:00~19:00
休:木曜

中華街最大の専門レストランのゴロゴロ焼売『華正樓』

『華正樓』の「焼売(10個入り)」1836円(税込)
『華正樓』の「焼売(10個入り)」1836円(税込)

 そして最後は中華街最大の宴会場を持つ名店『華正樓』の焼売をいただきます。『華正樓』の点心は、肉まんなども絶品で、以前の「肉まん比較記事」でも中華街イチの美味しさだと紹介しました。肉まんがあれだけ美味しいのだから、焼売ももちろん美味しいはず! といただく前からテンションが上がります。

「焼売」
「焼売」

 いただいてみると、その期待を裏切るどころから予想以上の味わい。焼売1個ずつが大きく、餡がギッシリ詰まっている一方、ゴロゴロとした食感も同時に楽しませてくれます。甘味と塩味、双方を押し出したような濃いめの味付けで食べ応えも十分。大きさだけで言えば『鳳林』の焼売が一番ですが、味のインパクトでは『華正樓』のほうが強いように思いました。「ご飯のおかず」「おつまみ」双方に合う焼売ではありますが、それ以上に「焼売」としての存在感が強いため、ある意味肉まんなどに近い印象も受けましたが、かなり美味しいです。

●SHOP DATA

店名:華正樓 新館

住:神奈川県横浜市中区山下町164
営:10:00~21:00/土10:00~22:00
休:なし

注目すべきは、まだ有名店ほどの認知がない『謝朋酒樓』と『鳳林』の焼売!

焼売横浜中華街の各店の焼売を食べ比べた結果は?
焼売横浜中華街の各店の焼売を食べ比べた結果は?

 というわけで、「焼売が旨い!」と評判のお店を7店ピックアップし食べ比べをしましたが、各店どの店も味の方向性・サイズ感は多種多様。さすが中華料理のメッカ・横浜中華街だけあり、どの店の焼売もかなり美味しいものばかりでした。

 中でも筆者的に特に注目すべきは、有名店ほどの認知は薄いものの、ハイレベルの焼売を販売している『謝朋酒樓』『鳳林』の2店舗です。

『謝朋酒樓』の「猪肉焼売」は、大型有名店をも凌駕する技術を感じる焼売でしたし、一方の『鳳林』の「三元豚焼売」は、中華街イチ(?)とも思われる大きさの焼売で、これまた人気店を上回るパンチのある味わいでした。読者の皆様はどの焼売が気になりましたか? ぜひあなた好みの焼売を見つけて、「食欲の秋」をしっかり満たしてくださいね。

(撮影・文◎松田義人)