11月中旬はジビエ解禁!食いしん坊シェフの挑戦は続く

自他共に認める食いしん坊の山中シェフ。実は、狩猟免許所持者、つまり猟師でもあるのです。そのため「merle」では、毎年秋冬は、シェフ自ら仕留めた野生鳥獣を店で味わえるというお楽しみが増えます。千葉県の2017年度の狩猟解禁期間は、11月15日(水)~翌年2月15日(木)なので、気になる方はぜひお店のSNSで、シェフの狩猟の成果をチェックしてみてください。
ソムリエ資格に加えて狩猟免許も取得している山中シェフは、県内のイベントへの出店や、自宅で作れるフレンチ料理教室の開催など、おいしいものにまつわる様々な活動をしています。また、おいしい食材探しにも熱心で、同世代のシェフたちとは情報交換を欠かしません。
修業時代は、同じくソムリエである妻・亜美(つぐみ)さんと二人、都内で店を持つことを考えていたという山中シェフ。しかし、山梨のワインに惹かれて、現地の老舗ワイナリー「ルミエール」に併設されたレストラン「ゼルコバ」に転職。そこで“産地が店の近くにあることの贅沢さ”に改めて気がついたといいます。
「東京にいた時は業者さんから食材を仕入れていましたが、山梨では農家の方から直接食材を分けてもらっていました。それで、地方で店を開くのもいいなって思えたんです」。
今は、亜美さんと共に懇意の農園に足を運び、いろいろな野菜の話をしたり、そこで教えてもらったレシピを実際に試してみたりと、「料理が閃く瞬間が広がった気がする」と話します。
「千葉は確かに、都内よりも外でお酒を飲む文化が少ないという面はあるかもしれません。でも、食材をはじめ本当にいいものを、いい人から買うことができるんです」とシェフ。
「東京みたいに何でも手に入るわけじゃないから、あるもので代用してやらなきゃいけないこともあるけど、意外とその方がハマることもあるんですよ。東京は東京でいいところはたくさんあるけど、千葉には千葉の良さがありますからね」
しなやかで軽やかな感覚と、研究熱心さを武器に、「これからも地に足をつけてやるだけ」と語る若きシェフ。
JR外房線・永田駅からすぐの小さなレストラン「merle」。引っ越したくなる町が、また一つ増えました。



●SHOP INFO
店名:merle(メルル)
住:千葉県大網白里市ながた野1-7-7
TEL:090-6479-2929
営:11:30~14:00(L.O.) 18:00~21:00(L.O.) 日・祝12:00~20:30(L.O.)
休:第2・4水曜&木曜
一人あたり予算:ランチ(洋食ランチセット2,000円~、おまかせコース4,000円~)、ディナー3,600円/4,200円/5,000円。
カード:使用不可
駐車場:5台(無料)
※価格はすべて税別表記。
●著者プロフィール
白井いち恵
千葉市育ち&在住の編集者・ライター。『千葉の本』『千葉の本2』(京阪神エルマガジン社)を手がけ、出身地・千葉県の知られざるおいしい&楽しいを大特集した。路線バス好きでもあり、著書に『東京バス散歩』(同上)。