旨い店はタクシー運転手に訊け! 土佐っ子愛が深い背脂チャッチャ系『下頭橋ラーメン』へ

旨い店はタクシー運転手に訊け! 土佐っ子愛が深い背脂チャッチャ系『下頭橋ラーメン』へ
『下頭橋ラーメン』のチャーシューメン1,100円 | 食楽web

一部でプロ級の舌を持つと噂のタクシー運転手・荒川治さんに教えてもらう「東京B級グルメ案内」。今回は、荒川さんが月に1度は無性に食べたくなるという背脂チャッチャ系『下頭橋(げどばし)ラーメン』(板橋区・ときわ台)まで、さっそく道案内をお願いしましょう。

 今回ご案内するのは、ラーメン界の伝説的存在、環七ラーメン『土佐っ子』の味を引き継ぐ“背脂チャッチャ系”の『下頭橋ラーメン』です。下頭橋と書いて“げどばし”。なんだかすごい名前でしょ。実は『土佐っ子』は環七に店を持つ前、板橋区・南常盤台にある下頭橋という橋の近くで屋台をやっていたそうです。

店内に貼られている店名の由来
店内に貼られている店名の由来

『土佐っ子』の凄さについてご存じないかもしれないので、簡単に説明しておきますと、80年代中盤~90年代にかけて起きた「環七ラーメン」現象と呼ばれるラーメンブームを牽引したお店です。

 当時は、ちょうどバブル期と重なっていて、働き盛りのサラリーマンが残業後、こぞって、深夜タクシーを捕まえて環七に向かい、ラーメンを食べるのが流行りました。それに火をつけたのが『土佐っ子』。環七通り沿いの、ちょうど板橋区のときわ台と中板橋の中間にあり、当時、店の前には夜中でも行列していたそうです。多いときは100人以上並んでいたというから、スゴいですよね。

ドンブリの上から背脂をかけます
ドンブリの上から背脂をかけます

 当時、誰もが夢中になったのが『土佐っ子』のこってり豚骨醤油味のラーメン。その最大の特徴とも言えるのが、丼の外まで降りかかっている背脂でした。とろとろの背脂を丼の上からチャッチャとかける独自のスタイルが名物となり、「背脂チャッチャ」と呼ばれました。この背脂のおかげでラーメンに深いコクが出て人気だったのです。その後、これを真似したラーメン屋が続々と登場し、「背脂チャッチャ系」というラーメンのジャンルにもなっていくわけです。

 今回、ご案内する『下頭橋ラーメン』のご主人はその『土佐っ子』で修業した方です。そして11年前の2007年に独立。『土佐っ子』のラーメンの味を真摯に引き継ぐべく、屋台時代の地名を店名にしたというわけです。