●『丸亀製麺』の限定メニュー「かに玉あんかけうどん」と「かにめし」を食べてきた
店舗ごとに粉から作る自家製うどんをさまざまなスタイルで提供する大人気讃岐うどん専門店『丸亀製麺』では、ただ今「かに玉あんかけうどん」と「かにめし」の2品を期間限定にて提供中。冬の寒さを吹き飛ばし、また冬のこの時期にしかいただけない“カニ尽くし”の一品を求めて、多くのお客さんがお店に足を運んでいます。
昨年から続く“ひと手間かけた冬のうまい!”シリーズ第3弾となる今回のメニューは、本ずわい蟹のほぐし身を具材に用いた贅沢な一品。メインの「かに玉あんかけうどん」は、本ずわい蟹を“紅”、うどんを“白”に見立てた、年初に食べる紅白のめでたいうどんとして全国レベルでブレイクしそうな”年明けうどん”な一杯。3年ぶりとなる全国販売ということで、丸亀フリークにとっては待望の復活メニューになります。
そしてもう一品の「かにめし」は、今回が初登場。五目ちらしご飯の上に錦糸卵を敷き、本ずわい蟹のほぐし身をたっぷりと乗せた豪華な仕様となっています。
普段はいいとこカニカマ、年始は例年よりも安いというニュースに釣られて冷凍ずわい蟹の足を数年ぶりに食した程度と、カニに対するボーダーラインはめちゃくちゃ低め筆者。本ずわい蟹の実力を身を持って体感できる絶好のチャンスを逃さないことも含め、今回の実食はうどんとめしの2品に決定。気になるテイスト、しっかりとレポートさせていただきます!
まさかの売り切れで「かにめし」を先に堪能!
最寄りのお店が4日から営業開始ということで、お昼過ぎの13時に訪店。しかし、これが思いっ切り裏目となり、メインの「かに玉あんかけうどん」が提供終了となっていました(泣)。そんなことがあるんかと軽く呆然としつつ、気を取り直してお目当てのもう一品「かにめし」をオーダー。まさか年初一発目の『丸亀製麺』で、うどんを食べずに飯ものだけをいただくことになろうとは……。恐らく店員さんや後ろに並んでいた人は「何だこの人は…」と訝ってるに違いないでしょうが、もうその辺は気にせずに鋼の精神で実食を進めますよもう。
最初のひと口目は、もちろん本ずわい蟹のほぐし身。箸でつまんでひと口。噛むごとに繊維の一本一本から濃い旨みがじゅわんと染み出てきます。水っぽさは一切なく、しっかりとした弾力と蟹の香りが口の中いっぱいに感じられます。
続いては土台の五目ちらしご飯。ほのかにお酢が香るご飯の中には、にんじん、しいたけ、ごぼう、レンコン、お揚げが、それぞれ細かく刻まれて混ぜ込まれています。ご飯は、甘酢仕立てで、酸味も甘味もかなり控え目。甘めの味付けで煮られた具材の旨みと甘味、さまざまな食感がご飯全体の味を美味しく引き立てます。
そして多めに乗せられた錦糸卵と白ごまがちょうどいいアクセントになり、さらに蟹のほぐし身の旨みが加わって、パクパク食べ進められます。気持ち大きめのお茶碗一杯分で量は少なめでしたが、全く気にすることなくストレートに完食。美味しかった。ごちそうさまでした!
探してでも食べる価値大!? 「かに玉あんかけうどん」
無事に「かにめし」を堪能したところで時間は、14時前。帰宅するにはあまりにも早いなあということで実食を続行。今の店からさほど遠くないところにある別の『丸亀製麺』へ向かうことにしました。15分ほど自転車を走らせてお店に到着し、店員さんに恐る恐る「かに玉あんかけうどん、ありますか?」と確認したところ販売中でした。無事うどんを受け取って着席。いやあ、売ってて本当によかった……。
まずは、イエローが際立つうどんのおつゆから。レンゲですくってごくり。かき玉は、食感がほぼなく、出汁(北海道産真昆布と厳選した複数の削り節から採った白だしを使用)の上品な風味とコク深い滋味、そして本ずわい蟹のほぐし身から出た旨みが、とろみとともに口の中を優しく満たしていきます。温かみと優しさが冷えた身体に染み渡るぅ~。
続いてはうどん、あんかけつゆをとっぷりと纏ったところを食べます。通常のうどんは、冷水できゅっと締めてから丼に盛られていますが、今回のメニューでは、釜から直接盛り付ける“釜抜き麺”を使用。口当たりがいつもとはちょっと違い、ほわっと柔らかな感じの後にもっちりとした食感が続きます。うどんの表面に滑らかな凹凸が入っているのは、公式によると「うどんの新鮮さを示す“くびれ”」とのこと。これがあんかけつゆをうどんに纏わせやすくする秘訣のようです。細やかな気遣い心遣いを感じさせる技術がすごいです。
もちろん、つゆとうどんの相性はバツグン。うどんのリフト、つゆをすくうレンゲ、両者を間断なくすする口が止められないです。トッピングで乗せられたみつばの苦味をアクセントにしながら、最後は丼を抱えてあんかけつゆを飲み干してフィニッシュ。大変美味しゅうございました、ごちそうさま!
まとめ
図らずも時間を置いた単品スタイルでの実食となりましたが、それぞれの味をじっくりと確かめられたことに加え、新メニュー提供時に起こりがちなレアケースに新春早々遭遇。最初から2店舗目の方に行っておけばよかっただなんて微塵も思わず…いや、正直ちょっとは思いました(苦笑)。
では改めて2品の印象をおさらい。「かにめし」は、ボリュームこそ控えめだったものの、ほんのり甘めで具材の味わいもしっかり感じられる五目ちらしご飯、たっぷりの錦糸卵と白ごまが本ずわい蟹の旨みを引き立て、また本ずわい蟹自体の高いクオリティとそれなり以上の量が盛られていたこともあって、「かにめし」の名に偽りなしのナイスな美味しさを堪能できました。
そして「かに玉あんかけうどん」。コクと奥行きのあるあんかけつゆの優しい味と、ふんわり柔らかながらコシをしっかり残した釜抜きうどんの組み合わせが最高でした。ほぐれた蟹の身がつゆに溶け込み、終盤はレンゲですくって口へ運ぶ度に蟹の旨みを感じるという、何とも幸せな時間を楽しませてもらいました。
なお今回実食した2品ですが、提供が1月15日までということで食べられる日数は残りわずか。ぜひ最寄りの『丸亀製麺』で今すぐにでも味わって、2024年の幕開けを美味しく、そして華々しく飾ってみてはいかがでしょうか。
(撮影・文◎河西まさあき)