シンプルな味なのにものすごくウマい「塩味スパゲティ」

カウンター越しのキッチンで「塩味スパゲティ」を手際よく調理するこの方が『エルベ』オーナーの庄子さん。この店の雰囲気に惚れ込み、先代から店舗とレシピを継承した方です。オーダーから数分で「塩味スパゲティ」が到着しました。太めのスパゲティに、ウィンナー、キャベツ、玉ねぎのみというシンプルな構成です。

さっそくいただいてみると、確かに塩味ですが、キャベツと玉ねぎの甘みがスパゲティ全体に広がり、優しい旨みが口に中に広がっていきます。また、ウインナーの塩味とのバランスも良く、まさに完璧すぎる「ザ・昭和喫茶のスパゲティ」の味わい。初めていただくのに、涙腺崩壊モノの味わいを堪能させてもらいました。

庄子さんによると、このスパゲティはもちもち感を出すために、わざわざ一度茹でてから一晩寝かせ、オーダーが入るたびに炒めているそうです。また、塩だけでなく、秘密の隠し味も入れており、これもまた「塩味スパゲティ」の肝とのことです。
『エルベ』の「塩味スパゲッティ」は、涙が出るほど美味かった!
東北の主要都市・仙台で発見した『エルベ』は、昭和時代から大切に守り抜かれた遺産級の佇まいであるとともに、その味もまた絶佳でした。
長く続く老舗の中には「好きな人だけ来てくれたら良い」「常連さんたちだけに食べさせたい」と、やたらと高額だったり、妙な敷居の高さを感じるところもありますが、『エルベ』は違います。「塩味スパゲティ」は絶品の味わいにして700円。そして、オーナーの庄子さんも気さくな方で、SNSなどでの発信も積極的にする行動派です。
昭和世代には必ずドハマりする味で、さらに若い世代には『エルベ』の佇まいが、逆に新しく感じると思います。仙台エリアの方はもちろん、出張や旅行などで仙台に行く方は立ち寄ってみてください。また、旅の途中などで「どうしても時間がない」という方は、事前予約で『エルベ』のメニューを弁当にしてもらうこともできます。行き帰りの新幹線でいただく『エルベ』のスパゲティも、また感慨深い気持ちになることウケアイです。
(撮影・文◎松田義人)