
墨田区鐘ヶ淵にある老舗和菓子店『墨田園』では、つり鐘型の可愛らしい最中があります。鐘ヶ淵という地名にちなんで作られた銘菓で、「釣鐘最中」という名称で売られています。

筆者が訪れた平日のおやつ時には、大サイズがすでに完売という人気ぶり。小ぶりな方でも小腹を満たすには十分なサイズ。3色、すべてを試してみることに。

小倉餡の茶色、抹茶餡の淡い緑、柚餡の白にほんのりピンクと、3色の彩りも美しく、それぞれの味わいにこだわりが光ります。

皮は国内産もち米、餡は北海道産の小豆を中心に、柚子や抹茶の風味を丁寧に仕立てた白餡ベース。サクッと香ばしい最中種に、ねっとりと濃厚なあんがたっぷり詰まっています。
素朴ながら、どこか上品。口に入れた瞬間に「ああ、これこれ」とほっとする昔ながらの甘さで、体も心もをじんわりと癒してくれました。個人的には、疲れた日の午後にいただくのがおすすめ。糖分チャージも、心の栄養もいっぺんに満たしてくれますよ。

和菓子好きへの手みやげにも喜んでもらえますし、季節を問わずに贈れるのも嬉しいですね。東京下町の銘菓として、ぜひ覚えておいて損のない一品です。
(取材・文◎乃々)