荻窪の三大カレー名店の一つ『すぱいす』で夏にピッタリ「牡蠣カリー」を食べてきた!

シンプルながら食材とスパイスの奥深さに感激

店の棚には大量にスパイスが並ぶ
店の棚には大量にスパイスが並ぶ

 さっそく入店して、メニューを開きます。知人はいつも食べるという定番の「骨付きチキンカリー」、筆者は牡蠣とほうれん草を使った「極上のかきと日本ほうれん草のカリー」を注文しました。この2皿を小皿に取り分けて、シェアして食べようという魂胆です。牡蠣カリーは、あの有名な料理評論家・山本益博氏考案と書かれていて、期待が膨らみます。

 ちなみに辛さは7段階。「普通(無料)」はちょっと辛めで、「中辛」(以後、有料)はけっこう辛く、「大辛」はすごく辛く、「激辛」はものすごく辛い。で、さらに激辛2倍、3倍、4倍までとなっています。今回は最初なので、普通をチョイスしました。

カレーは16種類ほどあり、青丸が付いているのがその日注文できるカレー
カレーは16種類ほどあり、青丸が付いているのがその日注文できるカレー

 まずは「チキンカリー」が登場。予想よりもかなり大きなお皿に、こんもりとした麦ごはん。そして周りにはシャバシャバのカレーが深い湖のようにたっぷり広がっています。一般的なお店より、カレーが1.5~2倍くらい多いような気がします。“カレーあるある”ですが、ルーが先になくなり、白いご飯を福神漬けで食べるというような寂しい目には、この店では絶対に遭わないことを確信しました。

「骨付きチキンカリー」1089円
「骨付きチキンカリー」1089円

 その「骨付きチキンカレー」ですが、スプーンを口に近づけただけで、思わず「美味しい」と口走ってしまうくらいの上品で複雑な香り。よくテレビの食レポで「ウマっ!」と言うのが早すぎてツッコまれている人がいますが、まさにあの状態です。実際、筆者は美味しいものは口に入れた瞬間に本能的にわかる気がします。

 いざ噛みしめると、辛味、酸味、甘味、苦味などの多種多様な味が万華鏡のように混じり合い、スパイスの桃源郷に迷い込んだかの如し。辛いけど甘い。甘いけど苦い。酸味も塩味も強すぎず、色々な食材やスパイスの味が絡み合ったコクと旨味を感じるのです。そしてけっこう辛い! じわりと汗が出てきます。うーん、中辛にしたらけっこう辛いんじゃないでしょうか。骨付きチキンもほろほろと骨からはずれ、お肉にはカレースープがたっぷり染み込んでいて、思わず骨にしゃぶりついてしまうくらい。

 続いて「極上のかきと日本ほうれん草のカリー」も登場しました。

「極上のかきと日本ほうれん草のカリー」2299円
「極上のかきと日本ほうれん草のカリー」2299円

 これも、カレーがたっぷり。ブレンダーで刻まれた生のほうれん草とカッテージチーズが入っていて、全体が深緑色に輝いています。カレーソースはチキンカレーと似ていますが、ほうれん草が加わることにより、独特の苦味やザラッとした食感が舌を刺激して、カレーの爽やかさが際立ちます。そして、具材は宝石のように輝く特大の宮城県産の牡蠣が2個。特大でプリップリです。

牡蠣は宮城県から直送される逸品。新鮮でプリプリしています
牡蠣は宮城県から直送される逸品。新鮮でプリプリしています

 牡蠣は火の入れ加減が絶妙で、ほぼ生牡蠣のようなプリンプリンの食感。これを食べると、口の中は一気に牡蠣の独特の香りとミルキーな旨味で充満。再びカレーを食べてみると、一気に磯の風味が漂います。そう、超贅沢なシーフードカリーに変化するのです。

 さらに食べ進むと、最後の方は麦ご飯とカレーが渾然一体となり、シャバシャバのリゾット状態に。お米がカレーの旨みを吸い込んで、美味しくてたまりません。まるで飲むように食べて、一気に完食。スッキリ爽やか。贅沢で上品な後味。「参りました!」と言いたくなるほどで、実にいい汗をかくことができました。

 というわけで、まだまだ猛暑が続きますが、そんな時には荻窪『すぱいす』の爽やかなカレーを食べて、その美味しさを堪能しつつ、爽やかな汗をかいてみてください。

(撮影・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

インド風カリーライス すぱいす外観

店名:インド風カリーライス すぱいす

住:東京都杉並区荻窪5-16-20
TEL:03-5397-3813
営:11:30~14:30
  17:30~19:30
休:日曜