からあげの美味しさにカンゲキ!

さて、この『ひよこ食堂』ですが、定食やお弁当のラインナップがかなり豊富なお店。モモ肉を使った「ももから定食」とムネ肉の「むねから定食」はそれぞれしょうゆ、甘辛だれ、塩にんにく、香味ポン酢、韓国だれの5種類の味を楽しめます。
今回、筆者がいただいたのは、一番人気の「ももから定食・しょうゆ」(780円)と単品の「むねから」(4個・480円)。まず、むねからを実食です。衣にはパン粉を混ぜ込んであり、一見「チキンカツ?」と思ってしまいます。しかしいざ歯を立ててみると、想像したほどに“パン粉感”はありません。片栗粉のみの衣に比べてサックリした食感に仕上がっています。しかも歯を当てただけで肉の存在を感じられるほどに薄い衣。

そして肉はムネ肉とは思えないほどにふんわり柔らかい! 一瞬モモ肉かと思ってしまうほどです。やや弾力もあり、歯の圧で旨みが絞り出されてくるよう。あっさりめの味付けで、鶏肉の味わいを余すことなく味わえる、実に美味しいムネ肉からあげです。

「漬け込み時間や揚げ時間などは徹底してこだわっています」と店長の田子裕也さんの言葉通り、ムネ肉をここまで柔らかく、美味しく作れるのは、ムネ肉の特性と調理法を熟知している証拠です。さすが鶏肉専門店の姉妹店ですね。
ムネ肉からあげがここまで美味しいのですから、モモ肉は言わずもがな。唇が衣に触れただけで、その衣がジワーッと肉に吸い込まれていくような柔らかさ。“優しい食感”とでも表現すればいいでしょうか。肉が舌の上でとろけるように崩れていく食感がたまらない、美味しいからあげです。

口の中でプルンプルンと跳ねるように生きのいいモモは1個あたりのサイズが大きく、肉厚感があってイイ。食べるときは「あーん」と口を大きく開かないと入りません。食べごたえも抜群です。
ちなみに、『ひよこ食堂』は定食メニューとして油淋鶏、棒棒鶏、よだれ鶏や鶏じゃがなどがあり、丼物も親子丼やよだれ丼、甘から丼などが充実しています。いずれもテイクアウト可能&からあげの単品オーダーもできるので、ぜひ一度食べてみることをおすすめします。
●著者プロフィール
松本壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。