今の季節、小腹が空いた時にコンビニで買って頬張る“肉まん”が、ささやかな幸せを感じさせてくれます。しかし著者としては、生地がモゴモゴしてしまい、「もう少し生地がしっとりしてるといいのになあ…」と思う今日この頃。そんな時、友人から差し入れしてもらったのが、台湾の食事に欠かせない国民食の一つ「饅頭(マントウ)」でした。
一口味わうと、ほんのりとした甘み、しっとりとした生地にすっかり癒やされました。そういえば、台湾に行った時に食べた「角煮サンド」も饅頭を使った一品で、その素朴な美味しさに感動したのを思い出します。いただいた饅頭は、西荻窪にある人気の『街角饅頭店 吉祥天(きっしょうてん)』のものだとのこと。この味が忘れられず、早速、買いに行ってきました。
『吉祥天』は西荻窪駅から徒歩5分の住宅街の街角にあります。それはまるで台湾の街角にあるような佇まいで、ふらりと立ち寄って饅頭を食べ歩きする人、おやつや朝ごはんのパン代わりにたくさん買っていく人と、様々なシーンが見られます。
「毎日食べるパンのように、たくさんの人に台湾の饅頭を食べて欲しい」。そう話すのは、台湾出身の店主・邱 任遠(キュウ レンエン)さん。以前はサラリーマンだったそうですが、9年前には点心師の資格を取得し、2年前に念願のお店をオープン。小さな頃から食べ親しんだ本場さながらの美味しい饅頭を毎日、届けています。