人気ラーメン店の主人も通う高円寺の町中華『天王』で「生姜醤油ラーメン」を食べてきた

絶品の生姜醤油ラーメンの味わいは?

「生姜醤油チャーシュー」800円。チャーシューの他に、海苔、ほうれん草、ネギ、メンマが定番のトッピング
「生姜醤油チャーシュー」800円。チャーシューの他に、海苔、ほうれん草、ネギ、メンマが定番のトッピング

 レンゲでスープをすすると、まず生姜がガツンと来て、その奥から、鶏ガラベースの醤油スープの味が静かに響いてきます。非常にすっきりしていて滋味深く、思わず「ああ、美味しい」と声が漏れてしまいました。まだ、麺もチャーシューも食べていない段階にもかかわらず、間違いなく美味しいラーメンだとわかってしまう、静かな迫力を感じます。

 すると横にいたおばあちゃん(女将)が、私の声を聞いて、「ありがとうね」と声をかけてくれました。続けて麺をすすってみると、中太の丸くてツルツルしたタイプで、これがまた旨いのなんの。「ホント、美味しいですね」とおばあちゃんに答えると、満面の笑顔で、「良かった、良かった」と喜んでいます。なんだかこちらまで嬉しくなります。

ツルツル、モチモチの食感の麺がまた美味しい!
ツルツル、モチモチの食感の麺がまた美味しい!

 さらにチャーシューを食べると、適度な厚みで柔らかく、さっぱりしていて、これまた最高。もう箸もレンゲも止まりません。すると、横にいたおばあちゃんはニコニコしながら、「生姜がたっぷり入っているから体が温まるでしょ」と声をかけてくれます。確かに体がポカポカしてきました。

 おばあちゃんにお話を聞くと、お店は30数年ほど前にオープンし、ラーメン主体の町中華だったとのこと。この「生姜ラーメン」は新潟出身の現主人(おばあちゃんの甥っ子さんだそう)が数年前から提供し始めたところ、口コミでその美味しさが広まり、テレビや雑誌にも取り上げられる人気メニューになったんだそう。

「昔からのお客さんは、普通のラーメンや回鍋肉やレバニラや定食を食べる人が多いですね。次は、ラーメンも食べてみてね」とおばあちゃん。ちなみにラーメンと生姜醤油ラーメンはスープから違うんだそうです。

町中華らしいメニューも揃っています
町中華らしいメニューも揃っています

 よくよくメニューを見れば、ラーメンは500円、単品料理も全て500円台! 定食にしてとても安いんです。これは確かにありがたい。そこで、試しに単品で「中華風卵焼き」(350円)を追加注文してみました。

 ふんわりとした卵焼きに、中華あん。シンプルですが、これまた美味しい! お会計を済まして、外に出るまで、幾度となく「ありがとうね」を繰り返すおばあちゃん。なんだか、ほんわかした気分になります。

「中華風玉子焼き」350円。いわゆる天津丼のアタマ部分。これがまたビールが進む美味しさ
「中華風玉子焼き」350円。いわゆる天津丼のアタマ部分。これがまたビールが進む美味しさ

 ちなみに、筆者が訪れた夕方はお客さんが少なかったのですが、昼時は、大繁盛しているそう。またぞろコロナ禍が深刻になりつつありますが、空いている時間を狙って、『天王』に食べに行ってみてください。美味しいのはもちろん、町中華の本質ってこういう感じだよな、と思わせてくれる、そんなありがたみも感じられるお店です。

(撮影・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

中華料理 天王外観

店名:中華料理 天王

住:東京都杉並区高円寺南3-35-15
TEL:03-3316-8736
営:11:30~21:30
休:火
※新型コロナウィルス感染拡大の影響で営業日・時間等に変更がある場合があります。事前に店舗にご確認を