
今は空前のオタクブーム。そのおかげで人気観光地になっているのがオタクの聖地と言われる「中野ブロードウェイ」だ。
「オタク」といえば、昭和の時代、気持ち悪い人の代名詞だったが、時代は変わった。オタクは、サブカル界だけではなく、広く一般社会において権威を持ち、輝きまくっている。実際、オタクをテレビで見ない日はない。
2014年のある調査によれば、10~40代の人は、オタクに対して好印象な人が6割、さらに自分をオタクと自認する人が4割もいるのだそう。筆者としては、この自称オタクは、昭和の「丘サーファー」と一緒だと睨んでいるが、それほどまでに、現代のオタクはモテるし性格も明るい。
前置きが長くなったが、私は、マニアでもオタクでもない。ゆえに、そんな方々の聖地に用はなく、5~6年前に行ったきりだった。古本、漫画本やアンティーク雑貨、アニメのフィギュアなどが醸す異様な空気と地下食品街の食べものの匂いと混じり合う空気が強烈すぎるのだ。
でも、今まさに、私はそこにいて、地下のカフェでチーズケーキを食べている。そのカフェは、やはり、オタク色の強いカフェで、やたらとチカチカ眩しい。
ペロリンガ星から来たサイケなカフェ

サイケデリックな装飾と、等身大のダースベイダー、昭和に流行ったテーブル型ゲーム機などが所せましと置かれた異空間。ここは今年4月末にオープンした「カフェ・ペロリンガ」である。
なぜ、ここに私が1人でいるかというと、近々、来日するカナダ人の知り合いが、「NBWに行きたい」と連絡してきたからだ。最初は「NBA」の聞き違いかと思ったが、そういえば、彼女は体育会系ではなく、コスプレ好き。
どうやら中野ブロードウェイは、昨今、海外メディアで多数紹介され、注目されているらしく、確かに外国人がウジャウジャいる。館内を案内する英語のパンフレットも用意されているので、オタクは国内だけでなく世界的に地位向上しているのだと、身に染みた。

ただ、彼女が見たい店・モノは、皆目見当がつかない。そこで、長時間いることになるだろうと想定し、まずは彼女が喜びそうな空間のカフェを探すことにした次第である。