人気ラーメン店の店主も通う! 荻窪『五稜郭』の「函館塩ラーメン」の魅力とは?

函館愛をひしひしと感じる一杯

「いかめし」(250円)を注文している人もたくさんいました
「いかめし」(250円)を注文している人もたくさんいました

 午後2時という昼の遅い時間でしたが、店前には数人の行列ができていました。並んで待つこと15分ほど。入店すると、券売機スタイルで、麺は「ラーメン」と「ラーメン大盛り」だけ。トッピングに「かごめ昆布」という珍しい食材があったので、ラーメンとそれを選び、着席しました。

 店内のTVモニタには、道南地方産昆布を採る漁師のVTRが流れています。カウンターに置かれていた「函館ラーメンとは」というパンフレットを読みつつ、ラーメンの登場を待つことに。その冊子によれば、函館のラーメンといえば塩ラーメンが定番であり、ストレートの細麺と、澄んだ色のあっさりスープが特徴で、トッピングはチャーシュー、メンマ、ネギ、そして、お麩が定番とのこと。

 また、店で使用している函館の老舗製麺屋『出口製麺』についてや、「道南地方産の真昆布」、「北海道最北端の猿払産ホタテ」、トッピングの「かごめ昆布」や「お麩」についても細かく載っています。ふむふむ。勉強になります。

 そして何より興味を惹かれたのは、この『五稜郭』では、「丼を両手で持ち上げて最後までスープを飲み干す“昔ながらの函館塩ラーメン”」を理想としているという点。“函館愛”の強さをひしひしと感じ、いやが上にも期待が高まります。

昆布とホタテの上品な味わいに感動

ラーメン(750円)に、玉子(100円)、かごめ昆布(150円)をトッピング
ラーメン(750円)に、玉子(100円)、かごめ昆布(150円)をトッピング

 登場した塩ラーメンは、引き込まれるように透き通った色あい。スープを一口飲むと、昆布やホタテのエキスがギュッと凝縮されていて、とろみがついているわけではないのに、口の中でトロンとした甘みが広がる感じがします。

 そしてストレートの麺はツルッツル。喉越しがよく、噛むと麺の小麦の味がふわっと広がり、得も言われぬ美味しさです。

次第にスープにとろみがついて、濃厚な旨味と甘みが生まれます
次第にスープにとろみがついて、濃厚な旨味と甘みが生まれます

 そしてトッピングに追加した「かごめ昆布」がスープに溶け出すことで、味わいも刻々と変わっていきます。スープにとろみが生まれ、濃厚な旨みと甘みをより感じられるようになるんです。

 チャーシューは、程よい薫香をまとい、しっかりとした食感。そして、「函館塩ラーメン」の定番と言われるトッピングのお麩。これを後半に食べてみると、丼の中のすべての食材のエキスを吸い込んでいて、最高のひと言です。

定番のトッピングのお麩
定番のトッピングのお麩

 食べ続けて、最後のほうになると、塩味と脂が積み重なってややキツく感じる塩ラーメンも多いものですが、この「函館塩ラーメン」は、塩気も脂っぽさも最後まで意識すらせずに済みます。まさに出汁の極みを堪能できました。

 パンフレットに書かれていたように、確かに両手で丼を持ってスープを飲み干したくなります。そして一滴も残さず完食しても、ラーメンを食べた後に感じる罪悪感めいたものがありません。むしろ、体に良いものを吸収した気がしてきました。

 皆さんもぜひ『五稜郭』の塩ラーメンを食べてみてください。絶品ですよ!

(撮影・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

函館塩ラーメン 五稜郭外観

店名:函館塩ラーメン 五稜郭

住:東京都杉並区天沼3-28-7
TEL:03-6364-0649
営:11:30~17:00(※営業時間は変更の可能性があるので要確認)
休:月・火(祝日は営業)
https://twitter.com/ramen_goryokaku