
昨年11月1日にオープンした東京・文京区本郷のカフェ『麹中』。なんと!シャレでもなく只今、工事中(2月まで)だが、店はしっかり営業中。ここのランチ「発酵(85)定食」がちょっと話題になっている。インスタ映えとは真逆の“超・地味飯”だが、近隣に勤める会社員たちがこの定食目当てに「毎日通う」ようになり、「体が軽くなった」「痩せてきた」という噂を耳にした。そこで、その定食の秘密を探ってきた。

地味に見える「発酵(85)定食」の中身
2017年の流行語に「インスタ映え」という言葉があったのは記憶に新しいが、『麹中』の超・地味飯とも言える「発酵(85)定食」をいただいてみて、その凄さに驚いた。一見すると「おかず、少なっ」と思える“一汁一菜”だが、驚くほど満足感がある。そして食べ終わると「ものすごくご馳走だ」と思えてくるから不思議だ。では、人を虜にする「発酵(85)定食」の中身を具体的にご紹介していこう。

自然栽培の食材と発酵技術で一汁一菜
「発酵(85)定食」は日替わりだが、その基本構成はほぼ毎日同じ。自然農園の三分づきのご飯、自然栽培の野菜を使ったお味噌汁、発酵なめみそ&ぬか漬と副菜などの“麹のプレート”。この3つだけ。では、この日の定食はというと……

まず、三分づきのご飯(玄米を30%だけ削ったもの)。やや固めの食感で、自然と噛む回数が増えてしまう。よく鼻と舌で味わっていると、お米の野性味のある荒々しい香りと、お米の甘味を感じる。

野菜がたくさん入ったお味噌汁。具は、玉ねぎやヤーコン、人参。それぞれ違うシャキシャキ、コリコリとした食感があり、汁自体にも、その野菜の甘み、旨みがしっかりと溶け込んでいて、とても優しい味。

麹のプレート。今日は、「鴨のなめみそ」と「牡蠣の醤油麹付け」と「野菜のぬか漬け」の三種盛り。ここで初めて動物系の食材に遭遇する。鴨の脂が溶け込んだお味噌、ふんわりと柔らかい牡蠣と“麹”のコク。そして、自然栽培の野菜のぬか漬けは、人参やピーマンのポリポリ、シャキシャキという歯応えと、“糠”のまろやかな味わい。

たったこれだけの品数だが、味噌汁を味わい、なめみそやぬか漬けをご飯の上に載せたり、混ぜたりしながら食べていると、お肉やお魚といったメインディッシュはなくてものすごく幸せな気分になる。