850 円なのに超ハイレベル!池袋のとんかつ店『君に、揚げる。』に行ってきた

1,000円以下で激ウマ!池袋のとんかつ新店『君に、揚げる。』に行ってきた
食楽web

※本記事の店舗は、現在閉業中です。

 最近、とんかつって高すぎませんか? 筆者は、とんかつを庶民的な食べ物だと思っています。肩肘張らずに気軽に行ける店で、できれば1,000円以下で、お腹いっぱいになって大満足……というのがとんかつの醍醐味だと常々考えています。

 そんな折、飲み友達で池袋のグルメ王と言われているK氏から、あるとんかつ店を紹介してもらいました。「少女漫画かライトノベルっぽい店名に一抹の不安はよぎるかもしれないけど、間違いなく界隈ナンバーワンだから。しかも安い」とK氏が大絶賛するその店は、豊島区南池袋のとんかつ店『君に、揚げる。』。

 というわけで、昨年11月にオープンして以来、とんかつ好きの間では評判のこちらの店に行ってきました。メニューはこんな感じです(下の写真参照)。定食は一律850円。実は1月末まで750円だったのですが、野菜などの食材高騰により最近100円値上がりしました。でも、まったくの許容範囲だし許します。

一律850円でボリューミーな定食がいただける
一律850円でボリューミーな定食がいただける

 この日は「嬉嬉豚ロースかつ200g」を選択。カウンター席に座り、女性スタッフに食券を渡すと「ごはんかキャベツ大盛りにできますが、どうしますか?」と聞かれました。「キャベツ大盛りでお願いします!」

付け合わせのピクルスを小鉢によそい、出来上がりを待つ
付け合わせのピクルスを小鉢によそい、出来上がりを待つ

 とんかつ専門店って職人気質のおじさんが揚げ場に立っているイメージが強いけど、同店のスタッフは女性のみ。調理する姿をぼんやり観察していたのですが、女性ならでの丁寧で細やかな気配りが感じ取れます。最後は油切りも兼ねて余熱で仕上げるなど、期待は膨らむばかりです。

 で、待つこと10分、ついにご対面の瞬間です! 実際目の前にすると厚みがあって大迫力!! 期待を裏切らない、絶対に美味いやつ。以前、取材したときにグルメレポーターの彦摩呂さんが「とんかつは左から三切れめから」と力説していたので、それに倣って早速実食!

群馬県の「高橋養豚場」で育ったブランド豚「嬉嬉豚」を使用
群馬県の「高橋養豚場」で育ったブランド豚「嬉嬉豚」を使用

 サクッとかジューシーとか、例えれば例えるほど、すべてが陳腐になってしまう気がするので、もう何も言いますまい。食べるのに集中します。山盛りのキャベツも進みます。ゴマと和風の2種類のドレッシングがあり、トンカツにはトンカツソース、塩、さらにおろしポン酢もついているので、味の変化を楽しめるのもうれしいじゃありませんか。具だくさんの豚汁とほうれん草ともやしのナムルもついて、それで850円は安すぎませんか!?

 しかもですよ。完食して席を立とうとすると「店頭にホットコーヒーがあるので、セルフですけど飲んでください」って、紙コップを手渡されます。味はもちろんなんですけど、ホスピタリティあふれる接客。「君に、揚げる。」の虜になった瞬間でした。

 肉巻きエビフライとかメンチカツとか、いろいろ選択肢があって気になるけど、次回も安定の「嬉嬉豚ロースかつ200g」を注文するんだろうな~。人生で一度は食べるべき至高の味とか、そんなんじゃなくて、お腹空いたときにふらっと立ち寄りたい、南池袋の裏通りにある名店でした。

 ところで、グルメ漫画『美味しんぼ』の中でも特に“深イイ回”の一つとして知られる「トンカツ慕情」(11巻に収録)をご存知でしょうか? この回に登場するとんかつ店「トンカツ大王」の店主の名セリフがこちらです。

「なあに人間そんなにえらくなるこたあねえ、ちょうどいいってものがあらあ。いいかい学生さん、トンカツをな、トンカツをいつでも食えるくらいになりなよ。それが人間えら過ぎもしない、貧乏過ぎもしない、ちょうどいいくらいってとこなんだ」

 どうでしょう。なかなか含蓄のあるセリフではないでしょうか。こんな感じで気取らず、美味しくて毎日でも食べられるとんかつのお店、もっと増えてほしいですね。

(取材・文◎大崎量平)

●SHOP INFO

嬉嬉豚とんかつ 君に、揚げる。

店名:嬉嬉豚とんかつ 君に、揚げる。

住:東京都豊島区南池袋2-13-10 東海キャッスル小林1F
TEL:050-3184-4878
営:月・火・金・土・日・祝日・祝前日 11:00~16:00
  月・火・金・土・日・祝日・祝前日 17:00~20:00
http://ureurebutatonkatsukiminiageru.favy.jp/