東大生が愛してやまない名曲喫茶『麦』の”す”入りプリンとは?

本郷三丁目『名曲・珈琲 麦』の“す”入り「クラシックプリン」が激ウマ!の噂の真相
本郷三丁目にある喫茶店「名曲・珈琲 麦」のプリン | 食楽web

読者の目撃情報をもとに、食楽捜査員が現地を訪れてレポートする【食楽探偵団】。今回は、「歴代の東大生が大好きな”す”入りプリンがある」という、ある筋から入った噂をもとに真相を調査してきた。

 プリンに空いた謎の穴。これが「す」の正体である。そして、プリンの最大の敵といえばこの「す」。一般的に、「す」のせいで、プリンは“なめらかさ”を失うと言われているからだ。調べてみると、プリンに「す」が入る原因はプリン液を蒸し焼きにする際、加熱温度の加減によって入る空気なのだとか。

 実際、インターネットで「プリン、す」というキーワードで検索すると「絶対に“す”が入らないプリン作りの秘訣」「“す”が入る失敗プリンの理由」という内容の記事がたくさんある。

 つまり、もしプリンに「す」が入っていた場合、次のようなことになる。

 自作の場合、「どうして失敗したのだろう?」と反省しながらしぶしぶ食べる。また、ケーキ屋のプリンに「す」が入っていたら、「ダメな店だ」と二度とそこでは買わなくなる。まして、「す」が無数に入ったプリンに出会ったら「残念だが、なかったことにしよう」と記憶から抹消する……。といった具合に、プリンの「す」は、まるで人生の汚点のように扱われるのが常だ。

 今回の「す」の現場は、丸ノ内線「本郷三丁目」駅から徒歩50歩のところにある『名曲・珈琲 麦』。ここは1964年に創業した老舗喫茶店である。

お店は階段を16段降りた地下にある
お店は階段を16段降りた地下にある

 ちなみに「本郷三丁目」とえいば、東大生やその教授たちが毎日使う駅。駅を出て徒歩数十歩圏内に、『カフェCワッサン』、『Dトール』、『U島珈琲』など人気チェーンのカフェが集まっており、頭の良さそうな学生や教授たちがパソコンを開いて勉強している光景をよく目にする。そんなカフェ激戦区の駅前で、老舗喫茶『麦』は、地下階にひっそりと広がっており、歴代の東大生や教授たちの「憩いの場所」として愛され続けているのである。

 昭和30年創業。左右2つのフロアがあり、右は椅子のエリア、左はソファ席のエリアである。いずれも自然光は入らないし、名曲喫茶なので照明も暗め。