シモキタの新店『三日月カリィ』。スープカレーのプロが作るのは、北海道大豆を使った“幻のコクまろカレー”

スープカレー屋が“カレーライス”を作る理由

母体のスープカレー専門店で培った“野菜の使い方”が生かされている
母体のスープカレー専門店で培った“野菜の使い方”が生かされている

 人気スープカレー店『侍.』が作るカレーライスは、やっぱり“普通ではなかった”ことがよくわかった。ところで、なぜ、スープカレー店がカレーライス店『三日月カリィ』を出店することになったのか興味が湧き、山崎さんに聞いたら、面白いエピソードを教えてくれた。

 今から10年ほど前の2007年、札幌豊平区の住宅街で、14席の小さなお店からスタートした『路地裏 侍.』。そのスープカレーの美味しさが口コミで広がり、あっという間に広い店舗に移転、また支店をどんどん増やすことになった。現在は、全国に13店舗を展開しているが、最初の札幌の小さなお店を、実は3~4年前、スープカレーではなくいわゆるとろみのある “カレーライス屋”にしたのだという。

「スープやスパイスのノウハウを生かして、ひと工夫を加えたとろみのあるカレーライスを出したんです。ただ、札幌では、外食でカレーライスを食べる習慣があまりなく、やはりスープカレー屋が好まれるんです。納得がいく『侍.』らしいカレーライスを出していたのですが、土地柄的に難しいこともあって、あえなく閉店しました」と山崎さん。

 つまり“幻のカレーライス”になってしまったのである。そこで、東京・下北沢で、そのカレーを提げて挑戦しようということになった、というわけである。

 オーナーの実家が営む北海道の畑で採れた大豆や野菜、お米などを使い、下北沢の小さなお店で1から丁寧に作る“幻のカレーライス”。東京という土地の新しいスパイスも加わっているので、ぜひその渾身のカレーライスを味わってみて欲しい。

(取材・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

三日月カリィ SAMURAI.下北沢店

店名:三日月カリィ SAMURAI.下北沢店

住:東京都世田谷区北沢3-34-2
TEL:03-6407-1080
営:11:30~15:00(LO)
  17:30~22:00(LO)
休:なし