
『炎丸酒場・五反田店』おだしと九条ねぎで食べるかしわ天
最近、“からあげにハイボール”という組み合わせがすっかり定着してきました。確かに、にんにくやしょうがの効いたからあげをハイボールと一緒に味わうと、爽やかな炭酸が、からあげの油を中和してくれて、旨みだけを口中に残してくれます。ぴったりです。では“からあげと日本酒”はどうでしょう?この組み合わせはあまり一般的ではないかもしれません。

東京・五反田にある『炎丸酒場』は、この意外な組み合わせにチャレンジして「日本酒に合うからあげ」を独自の研究で生み出していることで知られるお店です。その名も「おだしと九条ねぎで食べるかしわ天」(690円)。一体どんなものなのか、さっそく試してみました。

からあげは、九条ねぎとおろししょうが、おろし大根と一緒に出汁にひたしていただきます。追いがつおの出汁は、ほんのりといい香り。かつおの旨みもよく出ています。九条ねぎのシャキシャキした食感が実にいい! 普通の白ねぎなどにはない、九条ねぎの特徴といえばこのシャキシャキ感。からあげの衣とうまく馴染んでくれます。

「衣には天ぷら粉を使っています」と店長さん。なるほど、そのせいか全体的に“和”のテイストです。これなら日本酒に合いそう。こちらの完全限定日本酒「本生吟醸・炎丸」と合わせてみることにしました。この日本酒、フルーティーで柔らかい味わいです。辛味はひかえめで、たしかに和テイストのやさしい味のからあげと合います。
からあげにはモモ肉を使用しており、そのままでも美味しくいただけます。味付けには、少量のマヨネーズとごま油を使用しているとのことで、味に“丸み”があります。これがにんにくやしょうがの風味が強い醤油からあげだと、日本酒とケンカしてしまうかもしれません。これはまたひとつ、からあげの新しい楽しみ方を発見しました。
ちなみにこの炎丸酒場のからあげ、お店の副社長さんのお母さんが家で作っていたからあげがベースになっているそうです。日本酒に合う和テイストのからあげは“おふくろの味”が出発点だったのですね。
●SHOP INFO

店名:炎丸酒場・五反田店
住:東京都品川区西五反田2-18-3-102
TEL:03-3491-7701
営:月~土17:00~翌2:00(L.O.23:00)
祝17:00~23:00(L.O.22:00)
休:日
●著者プロフィール
松本壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。