行徳パンの「えびカツサンド」の魅力とは?

さて、このえびカツサンド、一体どんな味なのか。まず内容は、プリップリのエビカツに王道のタルタルソース、そこに絶妙に絡む甘辛いソース、周辺に申し訳なさげに潜むレタスとキャベツ、そんなすべてを大いなる意図を持って包括&抱擁するコッペパン…。完璧と言っても過言ではない布陣です。
噛めばザクリと伝わるエビカツの心地よきコロモ感とひたすら追ってくるたっぷりタルタルのチャイルディッシュで甘美な記憶、ボリューミーな食後の満足感。お惣菜パンの王道をひたむきに進みながらもそこはかとないジャンク感を忘れない、これぞまさに庶民の友。お昼時、この一品にガブリとかぶりつく喜びに勝るものはありません。

言ってしまえば、なんの変哲もないえびカツバーガーなのかもしれません。でも逆にだからこそ、一度食べれば必ずやアディクトしてしまう魔力に満ちた罪深きパンであり、マニアックなファンの心をくすぐり続ける確かな魅力がそこにはあるのです。
残念ながらこの罪深きパンが売り切れだった際には、隣にドシンと並ぶトンカツサンド、あるいは最近新しく並び始めたというハムカツサンドを選択するのも手。他にも王道のメロンパンにあんパン、数種からなるソーセージパンやカレーパンなどなど、何を選んでもハズレはありません。でも、どうしても確実にえびカツサンドが食べたい! という人は、事前に電話でお取り置きを頼んでおくのが吉です。

なお、このパン屋さんがある熊本市の新屋敷というエリアは、熊本でも屈指の閑静な高級住宅街。そこには大きな川が流れ、緑も濃く茂り、近所には平和で牧歌的な大きい公園もあって、つまりは散歩に最適なスポットです。えびカツバーガーを片手に優雅に熊本の食散歩を愉しむのもおすすめです。
(取材・文◎中村 慎)