
スコットランド南西部の海に浮かぶアラン島で生まれた「Arran」。ウイスキーファンを魅了するシングルモルトが、2020年にリニューアルを果たした。名シェフを唸らせ利用シーンさえ変えてしまう新たなデザインと味わい、その真価とは。
新登場のシングルモルトがウイスキーの常識を変える
薄暗いバーで傾けるロックグラスか、あるいは居酒屋のジョッキに入ったハイボールか。ウイスキーと聞くとそんなシーンを想起する人も多いかもしれない。だが今、新たなウイスキーの楽しみ方がじわじわと話題を集めている。話題の中心にいるのは、スコットランド・アラン島生まれの「Arran」だ。
1995年、スコットランドのクライド湾に浮かぶアラン島に誕生したアラン蒸溜所。かつて酒造りで栄えたこの島に約150年ぶりに建った蒸溜所とあって、世界の酒ファンは大いに祝福した。そして蒸溜所は人々の期待に沿うべく、モルト本来の魅力を伝える酒づくりに邁進。長い酒造の歴史の中で気鋭ともいえるアラン蒸溜所は、瞬く間に世界に飛び出した。
アラン バレルリザーヴ

ファーストフィルのバーボン樽のみを使用し、7 ~8年間熟成させたアランのエントリーモデル。フルーティさとウッディなスパイス感の調和が楽しめる。
そんな「Arran」がリニューアルされたのは2020年初頭のこと。ボトルにはアラン島を象ったロゴが配され、シンプルだが洗練されたデザインがシングルモルトの魅力を端的に伝える。そしてリニューアルと同時に登場したエントリーモデル「バレルリザーヴ」が、冒頭の通りウイスキーの新境地を開拓しているのだ。
柑橘系の爽やかな香り、清らかな酒質に由来するクリアでクセのない味わい。とくにハイボールにすると香りと味わいの軽快なハーモニーが際立ち、ひとくち飲むだけで実に多彩な利用シーンが頭に浮かぶ。昼下がりのカフェテラスで、レストランの食事を引き立てる食中酒として、あるいは自宅でのリラックスタイムの相棒として。