猛暑、酷暑、炎暑、激暑…と、今夏は連日のように暑い文字を目にした気がします。もう、このまま秋が来ないんじゃないかと思っていましたが、やってきました、食欲の秋! そして、日本酒の秋!
この時期は「ひやおろし」「秋あがり」と書かれた秋の日本酒が出まわる頃。紅葉やお月見など、秋を連想させるラベルもたくさん見かけます。お家でしっぽりお酒を楽しむための特別なぐい飲みも欲しくなりますよね。
青森県黒石市の烏城焼(うじょうやき)をご存知でしょうか。烏城焼はりんご畑と岩木山を一望する自然豊かな土地に工房と窯を構える陶工・今井理桂(いまい・りけい)さんが手がける唯一無二の陶芸作品です。
烏城焼の最大の特徴は自然釉。自然釉とは窯の中で薪の灰が作品に付着し、高温で融けて窯変またはガラス化したものです。古陶に魅せられた今井さん自らが築いた登り窯で、化学的なものは一切使うことなく、薪だけで焼成するため、仕上がりは土と火、水、そして木のみぞ知るという自然界の産物そのものです。当然、ひとつとして同じものは存在しません。
この烏城焼のぐい飲みで、ぜひ味わいたいのは地元のお酒です。烏城焼の窯元がある黒石市内にはかつて5軒の造り酒屋がありました。現在は2軒のみとなりましたが、そのうちの1軒「鳴海醸造店」は代表銘柄「菊乃井」を筆頭に蔵最高級の「稲村屋文四郎」などを醸す老舗蔵元。青森県産の酒造好適米「華吹雪」「華想い」「華さやか」、県産酵母、八甲田山系の伏流水(軟水)を使い、県産にこだわった酒造りでも知られています。酒蔵は重要伝統的建造物群保存地区に指定された藩政期の木造アーケード「こみせ通り」にあり、市内でも人気のスポットです。
お酒好きならば、烏城焼のぐい飲みと地元のお酒の組み合わせは、旅先で名産品ツートップに出会ったようなもの。実際、窯元や蔵元に足を運べるといいのですが、そうも行かないと思っていたところに興味深い情報が。
現在、71歳になる今井さんは「世界一の登り窯で、千年の時を経ても人を感動させる作品をつくる」という夢を叶えるために、22年の長きにわたり窯を積み続けています。世界一長い101メートルの登り窯の完成まで残り7mとあと一歩というところでクラウドファンディングをスタートさせました。リターン(特典)は茶道具や壺などの陶芸作品が中心ですが、プロジェクト達成を目前にして、ぐい飲みと地酒のセットが新たに加わりました。
「世界一の登り窯」という壮大なプロジェクトを応援しながら、烏城焼のぐい飲みで地酒が味わえるという素晴らしい特典。個人的には世界一の登り窯が完成した暁には実際窯元に足を運び、蔵元も訪ねたいという小さなプロジェクトをスタートさせたところです。
●DATA
「陶芸家、今井理桂。世界最長の登り窯へ挑戦!」
締め切り:9月30日23:00まで
https://readyfor.jp/projects/noborigama
鳴海醸造店
http://narumijozoten.com/