新潟名物「イタリアン」っていったい何? 謎スパ「イタリアン」を取り寄せてみた

ちょっと変わっているけど、やっぱり「焼きそば」

特製ウスターソースで味付けした「やきそば」とイタリア産トマトをたっぷりと使った「ミートソース」だそうです
特製ウスターソースで味付けした「やきそば」とイタリア産トマトをたっぷりと使った「ミートソース」だそうです

 それではいざ、実食です!
 まず、焼きそばの麺は中華麺で、太くて四角。食感はモチモチしています。味はウスターソースのさっぱりした風味で、よく味わうとかすかに粉チーズの味がします。具にはもやし、キャベツが入っており、その野菜の甘みがほんのり。

 そして「ミートソース」は、玉ねぎの甘みを感じるトマトソースをベースに、具材にコーンや挽肉が使われています。味は、とても薄味です。

 しかし、「焼きそば」と「ミートソース」を合わせると、びっくりするくらいまろやかになります。ケチャップやウスターソース特有のとがった味を感じることが一切なく、手作りのほんわかした味が口中に広がるのです。自前の粉チーズを入れてもよし、タバスコを垂らしてもよし。まるでスパゲティのように食べることができます。

自前のパルメザンチーズをたっぷりかけても美味!
自前のパルメザンチーズをたっぷりかけても美味!

 しかし、やっぱりこれはスパゲティではありません。ソースの味がしっかりしますし、白い生姜がとってもよく合う「焼きそば」。最近の焼きそばブームの中で、トマト味の「ナポリタン焼きそば」なんていう味も登場していますから、新潟「イタリアン」はそんな変わりダネ焼きそばの元祖なのかもしれません。

 ともあれ、新潟「イタリアン」は美味しいことだけははっきりと確認できました。ところで、この変わった「焼きそば」を、なぜ「イタリアン」という名前にしたのでしょうか。「イタリアンみかづき」を販売している「株式会社 みかづき」に電話をして聞いてみました。

「ネーミングは、当時の会長が偶然、頭に浮かんだと聞いています。ですが、きっとナポリタンに対抗してつけた名前でしょうね」と営業の方。

 この「イタリアン」が誕生した昭和35年、当時の会長は、甘味処『三日月』で新しい軽食を出そうと考えていたそうです。

「ちょうど、東京の浅草の“もんじゃ焼き屋”でソース焼きそばが流行っていたり、喫茶店で洋食のナポリタンが流行っていたりして、これにヒントを得て、“フォークで食べるやきそば”を発案したそうです」

 それが、ミートソースと粉チーズをかけた「イタリアン焼きそば」だったというわけです。当時は、小判型のアルミのお皿に盛り付けて喫茶店のスパゲティ風にして出したそうで、やはり「ナポリタン」を意識してのことでしょう。

 しかし、なぜ「イタリアン」なんでしょう?との重要なギモンには「語呂が良かったと聞いています」とにべもない営業の方。

 う~む、前回に続き、「イタリアン」のネーミングの由来や謎スパ「イタリアン」の正体はどんどん、謎のベールに包まれていくようです。こうなったらイタリアに出張するしかない!と思うのですが、どうでしょうか。

(取材・文◎土原亜子)

●DATA

新潟名物「イタリアン」公式通販
>>みかづきオンラインショップ:https://www.shop-mikazuki.net