宇都宮餃子を越えるか!?「浜松餃子」の名店3店の冷凍餃子を食べ比べてみた!

キャベツの甘みを活かした優しい味わい!元祖「石松餃子」

「石松餃子」1388円(税込)。肉本来の旨みと野菜の相性が抜群!
「石松餃子」1388円(税込)。肉本来の旨みと野菜の相性が抜群!

 まずは「浜松餃子」の始祖と言われる「石松餃子」から食べていきます。創業昭和28年に浜松で初めて屋台で餃子を売ったお店で、現在は3代目の方がその味を守り抜いています。初代より守り継がれた秘伝の「つなぎ」によって、豚肉や野菜の旨みが、皮の中に凝縮されているとのこと。

 さっそくいただくと、ジューシーながら、あっさりとした口当たりが美味。くどくない一方で、滋味深いような奥ゆかしい味わいです。餃子だけでも十分満足できますが、ご飯のおかずとしても、あるいはお酒のおつまみとしても十分すぎる一品。「元祖・浜松餃子」の味わいが、皮の中にギュッと詰まっているように感じました。

点心作りの知見と「浜松餃子」の伝統によって生まれた「いえやす餃子」

「浜松餃子食べくらべセット」1450円(税込)。パクパク何個でも食べられる餃子!
「浜松餃子食べくらべセット」1450円(税込)。パクパク何個でも食べられる餃子!

 続いて、『生餃子工房いえやす』の「浜松餃子食べくらべセット」をいただきます。『生餃子工房いえやす』では、点心を作る様々な知見をもとに、伝統的な「浜松餃子」の製法と合わせることで、他店にはない味わいを表現しているとのこと。さらに、「子どもが安心して食べることができる」「シンプルで毎日でも食べられる」「美味しいと笑顔になれる」の3つをコンセプトに掲げ、その素材には徹底したこだわりがあるそうです。

 本商品は、野菜たっぷりの「いえやす餃子」、肉たっぷりの「げんこつ肉餃子」を食べ比べられるセットですが、野菜たっぷりの「いえやす餃子」は、野菜の旨みが皮の中全体に広がり、独特の下味のおかげで相応のパンチがあります。また、「げんこつ肉餃子」のほうは、これと対局にあるかのような、肉肉しさがありつつもクセがなく、意外とあっさり。こちらも何個でもパクパクいただける餃子でした。

静岡の中華レストランチェーン『五味八珍』が作った野菜たっぷりの「浜松餃子」

「浜松餃子」1380円(税込)。パリパリした皮でとってもジューシー!
「浜松餃子」1380円(税込)。パリパリした皮でとってもジューシー!

 最後は、静岡県を中心に全42店舗を展開する中華レストランチェーン『五味八珍』による「浜松餃子」を紹介します。様々な中華料理の知見を生かしたオリジナルの「浜松餃子」を展開しています。鮮度抜群の素材を味わってもらうため、あえてキャベツなどは粗刻みにしているそうです。

 さっそくいただいてみると、「石松餃子」や「いえやす餃子」との違いは、モチモチの皮と、餡の野菜が多めの点。このことで、十分な食べ応えを餃子1個に表現するとともに、野菜の甘みも存分に引き出しています。肉より野菜が多めが好きな方は特に満足できる美味しさで、「石松餃子」「いえやす餃子」とも違う味わいを楽しむことができました。「今日は、餃子でガッツリ満たしたい!」という際には、一番オススメしたい餃子だと思いました。

調査結果:「石松餃子」は別格かも!? 各店「浜松餃子」の形を踏襲しつつ独自の個性で差別化をはかっていた!

 ここまで「浜松餃子」の3名店の冷凍餃子を食べ比べしました。いずれの「浜松餃子」も優位性が異なりましたが、まず欠かせないのはやっぱり「石松餃子」です。「浜松餃子」の始祖であり、その味わいは各地の餃子の名店と比べても、上位にくるであろう絶品の味わいで、もはや「浜松餃子」というカテゴリー抜きにしても高評価されるべき一品だと思いました。

 さらに、細やかな味の設計で「浜松餃子」の繊細な一面を表現している「いえやす餃子」も素晴らしく、特に女性や子どもに食べてほしい味わいでした。また、『五味八珍』も、地元の「浜松餃子」のスタイルを踏襲しつつも、十分な食べごたえを表現しており、これも素晴らしい味わいでした。

 このように「浜松餃子」と一口に言っても、味や個性は各店ごとにかなり違うことがわかりました。きっと、地元に多くあるお店を含めれば、さらに多くの絶品餃子に出会えるようにも思います。あなたはどの「浜松餃子」が気になりましたか? ぜひ、あなた好みの一品をチョイスして食べてみてください!

(撮影・文◎中西ふみえ・松田義人)