愛知・安城に伝わる謎のソウルフード「北京飯」とは何か? 発祥の店『北京本店』で実食!

愛知・安城に伝わる謎のソウルフード「北京飯」とは何か? 発祥の店『北京本店』で実食!
食楽web

●調査内容:愛知・安城に根付くソウルフード「北京飯」とは何かと、そのストーリーを名店『北京飯店』で聞いてきた!

「愛知県のグルメ」と言えば、まず味噌煮込みうどん、味噌カツ丼、手羽先、ひつまぶし…などが真っ先に思い浮かびます。しかし、「愛知県でしか食べられないB級グルメ」として知られるものは、まだまだ多くあり、そのうちの一つが「北京飯」というもの。名古屋から40kmほど南東にある安城に根付いたメニューで、試しに「安城 名物」と検索をかけると、筆頭に上がってくるものです。

 聞けば、60年以上も前から地元・安城で愛され続ける味のようで、地元外の筆者には全く想像がつきません。というわけで今回はその発祥の店として知られる『中国料理 北京本店(以下、『北京本店』)』にお邪魔し、店主の杉浦充俊さんに話を聞きました。もちろん、肝心の「北京飯」も実食し、その味わいもレビューします!

その歴史は60年前!「うっかり」から生まれた絶品まかないメニューだった

トロトロの玉子をご飯の上に乗せて…
トロトロの玉子をご飯の上に乗せて…

『北京本店』は創業から今年で62年目を迎え、現在の店主・杉浦さんは3代目にあたるそうです。この『北京本店』が開業して2年ほど経った、今からちょうど60年前に考案されたのが「北京飯」とのこと。杉浦さんによると。

「今から、ちょうど60年前、当時の店主が、まかないを作ろうと卵を鍋で炒めていたところ、うっかり他の料理のタレが溢れて、鍋の中に入ってしまったそうです。でも『捨てるのはもったいないから』と、偶然こぼしてしまったタレ入りの卵で賄いを作ってみたところ、『これは美味しい!』となり、その日からまかないとして食べるようになったそうです。そのあまりの美味しさに、まかないいだけではもったいないので、メニューにしようと思い立ち、お店の屋号をとり『北京飯』という名前で売り出しました」(杉浦さん)

 ただし、当初は「北京飯」として出しても一体どういう食べ物なのか客に伝わりにくく、注文する人はほとんどいなかったとか。しかし、それにもめげずに「北京飯」をメニューから外さず提供し続けたことで次第にその美味しさが伝わり、やがて『北京本店』の看板メニューになったとのことです。