並んで食べる価値あり! 老舗『駿河屋』の「うな重」に行列ができる理由とは?

成田山表参道の中で、特に行列ができる老舗のうなぎ専門店が2つ、あります。それは風情あふれる建物に魅了される『川豊』と、こちらの『駿河屋』です。
江戸時代創業の『駿河屋』は成田山新勝寺総門脇にお店を構えています。元は旅籠から始まり、中食屋へと商いを変えていきました。店内の2階へと続く趣のある階段や、いくつかに区切られたお座敷を見ると、その面影が感じられます。
行列必至の人気店、その攻略方法は?
この日は平日の11時半頃に訪れましたが、すでに店内はいっぱい。整理券を渡され、「30分後あたりに来てください」と案内されました。ですので、早めにお店に行き整理券を受け取って、参拝したり、あたりを観光して待つのがおすすめ。戻ったら番号を伝え、何番から何番までという感じで順番に案内されます。

店先ではうなぎをさばく様子を見ることができます。鮮度と質にこだわっており、熟練の職人が一匹一匹うなぎを見極め、裂き、串打ちし、蒸す、備長炭で焼くことで、うなぎ本来のおいしさを引き出しています。
うなぎは静岡県産のほか、幻のうなぎと言われる「共水うなぎ」を使った絶品のうな重が味わえるのも人気の秘訣でしょう。今回は普通の「うな重」(肝吸付き、3960円)を味わってみました。
人気の「だし巻き玉子」を食べながら、うな重を待つ楽しみ

今回通されたのは2階の窓際。座敷にゆったりと設けられたテーブル席には日が差し込み、ポカポカと暖かい。参道が見えるのも魅力です。
「うな重」ができるまで少々時間がかかるので、密かに人気の「だし巻き玉子」を注文しました。大きく美しい風情で出されたこの一品はまず、何もつけずにいただきましょう。蒸し焼かれたプルッとした食感は喉越しがよく、関東らしい甘めの味わいが広がり、なんとも口福。
大根おろしと合わせて味わうと一層、大根の苦味に上品な甘さが際立ちます。ビールのお供にもぴったりですね。
『駿河屋』のうなぎの旨さの秘訣は “秘伝のタレ”にあり!

お目当ての「うな重」がやってきました。蓋のデザインも風情があり、中をのぞく気分があがります。
そして、なんとも香ばしそうなうなぎがお目見え。一口味わえば、外は香ばしく、中はふっくら、ジューシー。うなぎ自体の旨さを引き出す秘伝のタレの奥深い風味もいい。さらに著者が気に入った点が、ごはんの固さ。少しかために炊き上げているようで、粒立ったごはんがうなぎのトロける食感を引き出していました。

追いタレをしてみると、秘伝のタレの素晴らしさに気づきます。このタレは下総醤油と三河味醂の白九重味醂という高級素材を厳選して作られており、醤油の風味が立った香ばしい味が感じられます。

さらに、山椒の美味しさもポイントが高い。ピリ辛さが際立ち、味変が楽しめます。
味の評価が高い『駿河屋』。うなぎ本来のおいしさと、タレの風味を絶妙に両立した「うな重」は食べる人によっては忘れられなくなる逸品でした。次回はぜひ、「大井川共水うな重」(6600円)を味わってみたいです。