料理カメラマンが伝授する、ミラーレス一眼で料理をおいしく撮るウラ技【光編】

9時~12時、もしくは12時から3時の方向から光を入れよう

 料理を美味しくきれいに撮るためにはどんな環境で撮影するのがよいかというと、自然光がベストです。なので、日中、飲食店などで料理の撮影をする場合は、自然光が入る窓際の席を確保したほうがいいです。

 ここで注意点があります。料理に差す光は、必ず横から入るようにすること。真逆光でなければ、逆光気味でも構いません。

 上の写真のように横からの光であれば、より料理に立体感が出て表情が豊かになります。

 逆に順光など正面からの光だと、光が料理に均一的にあたり、平面的でメリハリがなくなってしまいます。

 なお逆光気味だと料理の正面が暗くなってしまうことがあります。その場合は白いノートなどをレフ板代わりに使い、暗い部分に光を反射させることでよりおいしそうに撮れますよ。

オートホワイトバランス機能は便利だけど過信しない

 もちろん、料理を撮るシーンは日中(しかも晴天)ばかりとは限りません。というかそんな好条件の方が少ないですよね。曇りだったり夜間にディナーを撮影する機会だって多いはずです。そんな時の対応の仕方をご紹介します。

 自然光以外での撮影の際によくあるのが、蛍光灯下の撮影で料理に青みがかったり、白熱灯下で料理が黄色くなりすぎたりするケース。でも心配ご無用。ホワイトバランスを調整すれば問題ありません。

 最近のミラーレス一眼の場合、オートホワイトバランスが優秀なので、ほぼ自然な色味で再現してくれることが多いのですが、色味に関しては皆さんのそれぞれ好みがあると思います。

 気に入らない場合は、ミラーレス一眼にはほぼ搭載されているマニュアルのホワイトバランス機能を使いましょう。「晴天」「曇天」「電球」「蛍光灯」などのモードがあると思いますので、手動で設定すれば上手く撮れます。

 最後に(これが最も難しいのですが)ご紹介するのが、バーなどに多い間接照明のみの暗い場所での撮影方法です。

 ここで冒頭の説明を思い出してください。

 光が圧倒的に足りない中で適正露出を確保するにはシャッタースピードを遅くするのがベストです。ただ非常にブレやすくなるので、この場合は三脚を使うなどのカメラを固定するための対策が必要となります(三脚を使うのが難しければ、肘をテーブルについてカメラを動かさないようにするという手もあります)。

 また一方で、シャッタースピードを上げる(ブレにくする)ために感度を上げるという手段もありますが、どうしても画質が粗くなるため、料理撮影の場合はあまりオススメできません。

 以上、今回の講義はいかがだったでしょうか? 初心者の方からすると、少し難しいかもしれませんが、カメラの基本原理を知っていれば、さまざまな応用が効きます。この機会にぜひ勉強してみてくださいね。

 次回は、料理の表情=「シズル」についてお話を進めたいと思います

(文◎編集部 撮影◎鵜澤昭彦 料理・スタイリング◎みなくちなほこ)

パナソニック LUMIX DMC-GX7MK2

●今回使用したカメラ
パナソニック LUMIX DMC-GX7MK2
http://panasonic.jp/

>>第1回
料理カメラマンが伝授する、ミラーレス一眼で料理をおいしく撮るウラ技【構図編】

>>第3回
料理カメラマンが伝授する、ミラーレス一眼で料理を美味しく撮るウラ技【シズル編】