ロシアのロールキャベツは中身が肉だけじゃない!

編集部:今回は、ロシアの料理について伺いたいんですが、まずは日本でも家庭料理として定番中の定番ロールキャベツについて。これはロシアではどんな位置づけの料理ですか?
インナさん:とても日常的なものです。日本で言えばラーメンくらい一般的な食べ物です。中身もいろいろあるんですよ。
編集部:日本では、牛や豚のひき肉をキャベツに巻いて煮込むのが普通ですが、ロシアでも同じですか?
インナさん:伝統的なロシアのロールキャベツといえば肉が一般的ですが、旧ソ時代に、かさ増しのために蕎麦の実や米などを入れ始めました。それが意外と美味しかったので、今もひき肉と蕎麦の実や米を混ぜて作ることも多いです。割合的には5:5、それかひき肉6:米4とか。家庭によって違いますね。

編集部:お米も入れるんですね。巻く葉はキャベツがメインですか?
インナさん:基本的にはキャベツが多いけど、うちではビーツの葉っぱで巻いたりもします。あとはキャベツの漬物で巻いたりすることもあります。
編集部:味はどうでしょう?日本ではトマトベースやコンソメ味が多いですが。
ニゴラさん:うちはインナちゃん家とちょっと違って、玉ねぎと1種類のお肉を入れます。例えば羊肉が多くて、次は牛肉。たまに鶏肉とお米を入れます。お米はちょっとだけ。昔はお肉が高かったから米や蕎麦の実を入れたりしていたけど、最近はそうでもないです。味はやっぱりトマト味になります。

インナさん:うちもトマト味です。それにサワークリームをたくさんのせて食べます。酸味があるのでとっても美味しいんですよ。
編集部:なるほど、やはり家庭や地域によってさまざまなんですね。ロシア、広いですもんね。
ニゴラさん:そうですね。他にもトルコ料理で「ドルマ(ドーマ)」と呼ばれるロールキャベツに似たような料理があります。これはぶどうの葉っぱにお肉を入れて巻いたもの。これもよく食べます。それ以外にパプリカも使います。
インナさん:パプリカの中にお肉を詰めて煮ます。
編集部:皮として使うんですね。日本でも似たような料理で、ピーマンの肉詰めがあります。これは焼くことが多いですけど。

ニゴラさん:基本的に何でも代用できます。「キャベツはないね、でもパプリカはあるよ」となれば、あるものでなんでも巻いてしまえばOKです。ロシアは冬が長いこともあり、ロールキャベツはキャベツがある時期の料理。キャベツがない時期は他の野菜で代用します。
編集部:ロールキャベツは季節料理だったんですね。
インナさん:そうです。うちはキャベツがない時期は、塩漬けにしていたキャベツを巻いて作るので、1年中食べてますね(笑)