日本酒のプロに聞いた! 宅飲みを100倍楽しくする「夏酒」5選

日本酒のプロが進める夏酒はコレだ!

御茶ノ水と浜松町に店舗を構える日本酒専門店『名酒センター』の取締役を務める今正光(こん・まさみつ)さん
御茶ノ水と浜松町に店舗を構える日本酒専門店『名酒センター』の取締役を務める今正光(こん・まさみつ)さん

 今さんによると、今年の夏酒は、新型コロナの影響で飲食店で飲まれなくなった分、家で楽しめる300mlなどの小さいサイズや、日本酒単体でも楽しめるような主張が強い新商品が増えているそうです。

「今回は単体でも楽しめて、料理とも合わせられる日本酒を選びました」と今さん。というわけで、さっそくご紹介していきましょう。

食中酒にぴったりの軽快さが魅力
「特別純米酒 出羽桜 honu(ホヌ)」(出羽桜酒造)

アルコール度数15%。日本酒度-8。720ml 1350円、1.8L 2700円
アルコール度数15%。日本酒度-8。720ml 1350円、1.8L 2700円

 山形県天童市の『出羽桜酒造』夏限定のお酒。ホヌとはハワイの現地語でウミガメの意味で、幸福や繁栄の象徴として用いられる縁起の良い名前です。芳醇な甘味が特長で、甘さの中にひそむ、均整の取れた柔らかい酸味がじんわりと広がる日本酒です。

「食中酒としても最高ですが、夏の昼下がりにお酒を片手にゆっくりと楽しんでもらいたい日本酒ですね。アルコール感が程よく抑えられているので、軽快に呑めると思います。料理と合わせるなら、ハワイアンや甘味の強いエビチリなどが合いますよ」(今さん)

心地よい香りとほのかに感じる甘さが絶品!
「純米吟醸生酒 よこぶえ」(伊東酒造)

アルコール度数15%。日本酒度-6。720ml 1760円~1914円(税込)
アルコール度数15%。日本酒度-6。720ml 1760円~1914円(税込)

 純米吟醸の生酒。長野県の諏訪エリアには、「諏訪5蔵」と呼ばれる5つの蔵巡りができる人気スポットがありますが、この伊東酒造もその1軒。ひらがなで「よこぶえ」ですが、本来は漢字で「横笛」と書きます。このひらがな表記は、夏の純米吟醸の限定品にのみ冠されます。濃密で奥行きのある味わいで、柔らかい甘味と、華やかな香りが特徴です。

「濃密で濃いタイプの日本酒なので、キリッと冷やして、うなぎの蒲焼や今年はできるかわからないですがBBQなんかにピッタリですね」(今さん)

清涼感あふれる吟香味になめらかな口当たり
「白真弓(しらまゆみ)夏吟」(蒲酒造場)

アルコール度数16%。日本酒度+3。720ml 1426円
アルコール度数16%。日本酒度+3。720ml 1426円

 昨今の夏酒は、純米吟醸や特別純米などの純米系が主流ですが、このお酒はあえて醸造アルコールを添加し、見事なキレを演出しています。使用しているのは岐阜県のオリジナル米「ひだほまれ」。このお米はお酒を造った時に味が出やすく、炊きたての米を彷彿させるふっくらした香りや柔らかい味わいが特徴です。この蔵は「ひだほまれ」を使い慣れており、その技術を活かし、巧みに旨みをのせています。すっきりしていながらも、決して水のようではない奥行きのある日本酒です。

「あっさりした料理と合わせると、非常に味を引き立ててくれると思います。白身の魚やアサリの酒蒸しなどと特に相性が良いですね」(今さん)

ほんのり感じるピリッと感と爽やかな味わい
「左大臣 純米吟醸 生原酒おりがらみ・つ(ブルームーン)」(大利根酒造)

アルコール度数16%。日本酒度-4。720ml 2000円、1800ml 4000円
アルコール度数16%。日本酒度-4。720ml 2000円、1800ml 4000円

 ボトルに描かれた月の形が印象的な一本。ブルームーンというシリーズで、年に3回、月の色の変化に合わせて発売される日本酒です。最初が仕込み時期の冬に発売される黄色い「つ」、七夕ごろに青い「つ(ブルームーン)」、10月ごろにさらに熟成された赤い「つ(ブラッドムーン)」がそれぞれリリースされます。

 “おりがらみ”ということで、ほのかな濁りが特徴です。シュッとした口当たりで心地よくすっと胃の腑に入ってくる一杯です。フルーツのような柑橘系の香りも夏にピッタリです。

「モッツァレラなどのフレッシュチーズのカプレーゼやさっぱりした梅肉和え系にマッチすると思います」(今さん)

夏らしい軽やかな飲み口の辛口な一杯
「笹祝 夏のにごり酒」(笹祝酒造)

アルコール度数15%。日本酒度+4。720ml 1000円
アルコール度数15%。日本酒度+4。720ml 1000円

 新潟県・新潟市のお酒で、濁り酒ですが非常に辛口のお酒です。米そのものの香りを思わせる、“米米感”のあるお酒。瓶詰めして火入れしているので、少しガス感があり舌に心地よく感じるピリッとした味が絶妙な日本酒です。

「濁り具合からは想像できないぐらいスルスルと飲めてしまう日本酒で、喉に絡みつくようなトロミもしっかりあります。ロックで呑んでもらいたいお酒ですね。料理は、焼肉が良いですよ。ぜひロックで焼肉を楽しんでもらいたいです」(今さん)

 今回ご紹介した日本酒はすべて『名酒センター』で飲むことができます。もちろん通常販売や蔵元のサイトでも購入可能。気になった人はぜひチェックしてみてください。

●SHOP INFO

名酒センター 御茶ノ水店 外観

店名:名酒センター 御茶ノ水店

住:東京都文京区湯島1-2-12 ライオンズプラザお茶の水1F
TEL:03-5207-2420
営:14:00~22:00(フードLO21:00、ドリンクLO21:45)、土曜12:00~22:00(フードLO21:00、ドリンクLO21:45)、日曜、祝日12:00~19:00(フードLO 18:00、ドリンクLO18:45)
休:月曜
https://nihonshu.com/