餃子×シャンパンに続くトレンド? “ワイン×シュウマイ”を提案する渋谷『焼売酒場 小川』が旨い!

餃子×シャンパンに続くトレンド? “ワイン×シュウマイ”を提案する渋谷『焼売酒場 小川』が旨い!

 2019年2月1日に渋谷にオープンした『焼売酒場 小川』。焼売(シュウマイ)酒場。素敵な言葉です。私のリサーチでは、福岡にその名を冠する店は存在しますが、渋谷という私の食エリアである首都圏にオープンしたことは、シュウマイのみならず、酒をとともに味わうことを愛する者として、これ以上ない喜びでした。

「マルスワイン」コップ1杯600円
「マルスワイン」コップ1杯500円

 そしてそのシュウマイに合わすお酒は、ワイン。シュウマイといえばビールが一般的ですが、個人的には最近、肉の脂分をさっぱり洗い流す効果もあるレモンサワーもお勧めしています。また、佐賀・呼子のイカシュウマイのような魚介系は、日本酒も相性は良いと思います。ですが……正直、シュウマイは中華や和の特徴が強い料理ということもあり、西洋的なワインが選択肢に挙がることは、ほとんどありませんでした。

「焼売」3個480円(1個160円)
「焼売」3個480円(1個160円)

 ですが、この店のシュウマイはワインに合うのです。詳細は後述しますが、特に白ワインとの相性は最高です。実は取材前にも客としてお店を利用したのですが、調子に乗り白ワインが進み、年甲斐もなく久々に翌日にお酒が若干残る有様でした。コップ1杯600円で味わえる一升瓶ワインという気軽さも影響したわけですが、いずれにしても、それぐらい違和感なく、ワインとともに楽しめるシュウマイなのです。
『焼売酒場 小川』と、シュウマイ×ワインという新たなマリアージュ。近年、餃子×シャンパンのマリアージュが話題になったことも考えると、2019年の新たなトレンドになる可能性は十分あると、期待も込めて思っています。

 一般的なサイズよりも少々大きめのシュウマイを半分に割ると、赤みがかった豚肉たちがひしめき合う断面が現れます。その景観は、肉汁あふれるジューシーさよりも、むしろ引き締まった筋肉質に近い美しさが際立ちます。使用するのは、岩手県産の岩中豚。その4種の部位を独自に配合、そこに和ビストロらしくフレンチならではの独自の調味料(企業秘密)を加え、「混ぜ過ぎない」程度にざっくりとあわせ、ひとつひとつ手で包んでいきます。

 包み上がったシュウマイは「二度蒸し」で仕上げます。一度は20分ほど蒸し、そこから一度冷まし、二度目に仕上げで5分ほど蒸し、完成。一度蒸した後に冷ますことで、豚特有の脂感がほどよく落ち着き、豚肉の旨味と食感がしっかり残った、筋肉質の断面のシュウマイが完成するわけです。

 そしてシュウマイ×ワインの組み合わせと同じぐらい独創的な、「山椒」を振りかけて食べるという提案。私の記憶の中でも、この店以外に山椒をかける店は存在しません。おそらく企業秘密の調味料と、この山椒が融合することで、いわゆる和にはない特有の香味が立ち上がり、それが西洋的なワインとの相性を作り上げているのだと、私は推測しています。