名店と呼ばれる所以は細部にこそ宿る! 神楽坂『ENGINE』の料理、空間、器、おもてなしの極意とは?

名店と呼ばれる所以は細部にこそ宿る! 神楽坂『ENGINE』の料理、空間、器、おもてなしの極意とは?
食楽web

 美味しい料理で心まで満たされたい。けれど、そんな食への欲求は、 “美味しさ”だけで満たされるものではありません。細部に潜むこだわりこそ、心まで満たす重要なポイント。美味しいのその先へ。そんな小さな気配りの行き届いた名店をご紹介します。

和の食材で季節感を表現。斬新で滋味深い、気鋭の中国料理店

 オープンして、2019年2月で丸4年。神楽坂『ENGINE』は、日本の四季とともに歩んできた中国料理店です。秋が来れば、サンマを春巻に。タラが美味しい季節になったら、白子を麻婆春雨に。オーナーシェフ、松下和昌さんは和の食材を中国料理に仕立てる名人。発想は斬新で、柿とクラゲ、アン肝と大根など、食材の取り合わせも閃きに満ちていますが、食べれば誰もが納得。きちんと中国料理として成立している一方で、味わいは優しく、滋味深く、日本で食べるチャイニーズの意義を知らしめてくれます。

 繊細な料理ゆえに、食材選びは重要なポイントになりますが、例えば、広島から定期的に取り寄せる無農薬野菜はその代表。新しい食材との出合いにも貪欲で、「昨年ぐらいから使い始めた」というイノシシは焼売にするなど、進化は継続中。折に触れて通いたくなる一軒です。